キリストの受難を追体験 伝統行事「マレルド」 サンフェルナンド市
ルソン地方パンパンガ州サンフェルナンド市で7日、イエス・キリストの苦難を再現、追体験する恒例行事が行われた
ルソン地方パンパンガ州サンフェルナンド市でイエス・キリストが磔になった聖金曜日にあたる7日、キリストの苦難を再現、追体験する伝統行事「マレルド」が行われた。
午前中には「ペニテンシャ(ざんげ者)」と呼ばれる頭を布で覆い、上半身裸の男たちが路上で、先端に竹の束が付いたぬんちゃく状の「パラスパス」を背に打ち付けて、血を流しながらバランガイを練り歩いた。地元民によると、キリストの苦難を追体験するとともに、自らの贖罪にもなるという。
午後はキリストが十字架に磔にされたゴルゴタの丘に模した場所でキリスト教の聖典である新約聖書に書かれているエピソードの一つ「キリストの磔刑」が再現された。磔にされた罪人役の2人の他、キリストに扮した男は実際に両手、両足に釘が打ち込まれていた。
近くのバランガイ(最小行政区)に住むルイス・フェラーくん(13)は「コロナ禍で見送られていたこの伝統行事をやっと見ることができたから嬉しい。でも、ペニテンシャはやりたくない」と語った。
炎天下、辺りは同行事を一目見ようとカメラやスマートフォンを手にした外国人も見られ、観光客や地元の人々で溢れかえっていた。(沼田康平)