泥まみれの笑顔咲く 3年ぶり日本人会フィエスタ MJSグランド
タギッグ市の日本人学校グランドでマニラ日本人会主催のスポーツイベント「日本人会フィエスタ」が3年ぶりに開催され、ドッジボール大会やソフトボール大会決勝が行われた
前日の雨も晴れ、かんかん照りのスポーツ日和となった首都圏タギッグ市のマニラ日本人学校(MJS)グランドで20日、マニラ日本人会主催のスポーツイベント「日本人会フィエスタ」がコロナ禍を乗り越え3年ぶりに開催された。
同日午前は総勢102人の小学生がドッジボール大会に参加し、MJSグランドを駆け回った。午後にはソフトボール大会の決勝が行われ、9月から予選、決勝トーナメントを勝ち抜いてきた強豪のりま組対トゥーホイラーズが熱戦を繰り広げた。
ドッジボール大会開会式の挨拶を務めたマニラ日本人会の餅原力スポーツ委員長は「今回のドッジボール大会はMJSで事前アンケートを実施し、児童100人以上の再開を支持する声もあり、実現できたことを嬉しく思う」と述べた。一方、餅原委員長は3年ぶりの同フィエスタ再開までの道のりについて「(コロナ禍の状況を鑑みて)7月に再開の有無を判断しなければならず、また今までに無いコロナ禍ならではのルールも必要だった」とこれまでの苦難も語った。MJSの塚本秀二教頭は「今年の2学期からやっとドッジボールやクラブ活動などを再開できるようになり、今回子どもたちのたくさんの歓声が聞けたのが一番嬉しい」と明かした。
試合中は前日の雨の影響でグランドがぬかるむ状態で泥まみれになりながらも笑顔一杯でボールを投げたり、避けたりする子どもたちの姿が印象的だった。小学5年生の定家ももかちゃんは「グランドがぬかるむので、転びそうになるけど楽しい。次はボールに当たらないよう逃げ回りたい」と話した。5年生のフレグラ・ヒューゴくんは「内野は滑るのでボールを取ったらすぐに外野に回し、ボールを取るより避けるほうを意識したい」と意気込んだ。
終始晴れ間が続いたドッジボール大会は子どもたちの笑い声や勝利を喜ぶ声で溢れていた。高野誠司日本人会会長は閉会式で「学年やクラスを越えてチームを組み、交流や友情を深められたと思う」と大会を締めくくった。優勝した小学2年生の城田芙ら晴ちゃんは「自分でキャッチして投げれるところが楽しかった」と笑顔を見せた。
3年ぶりに開催された日本人会フィエスタだったが、コロナ禍前と同じ規模とはいかなかった。日本人会の二村事務局長によると、依然としてコロナ禍の制限があり、200人以上のイベントを開催するには当局に申請などが必要で管理も難しくなることから、出店などのイベントは控えたという。餅原委員長は「フィエスタは本当に長い歴史があり、『開かれた日本人会』を具現化しまた象徴となる取り組み。来年は2019年(コロナ禍前)と同じ規模で開催できたら」と来年への抱負を述べた。(沼田康平・2面に関連記事)