緊急宣言下、無観客で開会式 東京五輪、57年ぶり2度目
オリンピック東京大会の開会式が東京・国立競技場で無観客で行われた
第32回夏季オリンピック東京大会の開会式が23日午後8時から、新設された東京・国立競技場で無観客で行われた。東京での五輪開催は1964年大会以来、57年ぶり2度目。新型コロナウイルスの影響で史上初めて1年延期された上、緊急事態宣言下にある開催都市で、選手や関係者にもコロナの陽性確認が相次ぐ中での異例の幕開けとなった。
開会式では天皇陛下やフランスのマクロン大統領、ジル・バイデン米国大統領夫人らが見守る中、フィリピンは、日本人の父を持ち、日本で育った柔道女子の渡辺聖未(きよみ)とボクシングのエウミル・マーシャルを旗手に6人の役員・コーチが国旗を振りながら入場行進。日本もバスケットボール男子の八村塁(ウィザーズ)とレスリングの須崎優衣(早大)に率いられて最後に行進した。
3月25日に福島県を出発した聖火は、公道でのリレーが一部中止になりながら47都道府県を回り、テニスの大坂なおみ(日清食品)により国立競技場の聖火台に点火された。
大会は8月8日までの17日間。野球・ソフトボールが3大会ぶりに追加競技で復活し、空手、スポーツクライミング、スケートボード、サーフィンが新たに採用された。史上最多となる33競技339種目に、206の国・地域と個人資格、難民選手団を含めて約1万1千人の選手が参加する。
開催国日本は33競技に1060人(選手583人、役員477人)と、史上最大の選手団になった。金メダル30個が目標。
57年前の東京大会で五輪史上初の銀メダルを持ち帰ったフィリピンは今回、体操、重量挙げ、ゴルフなど11競技に選手19人が出場。初めての金メダル獲得を目指す。(谷啓之)