ラプラプのミュージカル上演へ 改装のメトロポリタン劇場で6月
6月にメトロポリタン劇場でラプラプを主人公にしたミュージカル上演
2021年はマゼランがフィリピンのビサヤ地方に来航して500周年。コロナ禍にもかかわらず目白押しの記念行事の目玉の一つとして、マゼランを倒したマクタン島の部族長、ラプラプを主人公にしたミュージカルが、改装工事を終えたばかりのマニラ・メトロポリタン劇場で6月に初上演する計画が進められている。
英字紙インクワイアラーによると、ミュージカルは比文化センター(CCP)館長や国家文化芸術庁の長官を務めるニック・リサソ氏や国家歴史委員会のエスカランテ委員長らの発案による制作で、タイトルは「ラプラプ:マクタンのダトゥ」。脚本はニコラス・ピチャイ、監督はデクスター・サントス、舞台芸術はジノ・ゴンザレス。作曲・アレンジはクリナ・カヤブヤブらが務める。
マゼランの比来航の歴史をパロディーにした「マジェラン・ソング」など、過去の比のヒット曲に、新曲を加えてミュージカルドラマとして創作する。「マジェラン・ソング」はビサヤ地方出身の歌手、ヨヨイ・ビリャメが1970年代前半になまりの強い英語で歌って大ヒットした作品。
発表の舞台となるメトロポリタン劇場は1931年にオープンしたアールデコ様式の建築物。フィリピンを代表する劇場として戦前に一世を風靡(ふうび)し、1945年2〜3月のマニラ市街戦による爆撃を生き延びた数少ない戦前からの主要な建物のひとつだ。
戦後もしばらく劇場やバスケットボール場などとして使われていたが、劣化が激しかったため、2015年から国家文化芸術庁の指揮の下、改装工事が行われていた。6年にわたる改装工事がようやく終わり、今年6月に「ラプラプ」が初上演される運びとなった。
また、同劇場が今年12月に正式に改装オープンした際に、「ラプラプ」がこけら落とし公演として再演される計画という。(澤田公伸)