移民1世紀 第2部・ダバオで生きる
[ 1395字|社会 (society)|移民1世紀 第2部・ダバオで生きる ] 無料両親の残影を追い求め
「お父さん、お母さん。私を生んでくれてありがとう。清子ちゃん、盛正。生きている時に会いたかったよ・・」。二〇〇二年八月、「ダバオ慰霊と交流の旅」に参加した山田春子さん(68)=沖縄県具志川市=が、朽ちかけたヤシの切り株に語りかけた。左手には古ぼけた一枚の家族写真。切り株に挟み込まれた日本製タバコの煙が、雑草生い茂る野の風にゆらぎながら青空へ消えていく。