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1月22日のまにら新聞から

日産 比での生産3月で停止 「効率的な事業運営」に向け

[ 969字|2021.1.22|経済 ]
小型セダン「アルメーラ」=フィリピン日産自動車のホームページから

 日産自動車は21日、フィリピン・ラグナ州サンタロサ市の自動車組立工場での生産を今年3月で停止することを明らかにした。日産は21日の声明で「フィリピン日産自動車(NPI)と車両組立パートナーのユニベーション・モーター・フィリピン(UMP)との契約が終了したことを受けての決定で、ASEAN地域における生産の最適化と効率的な事業運営に向けた日産全体の変革計画に沿ったもの」と説明。工場閉鎖で失業する従業員133人には補償金などが支払われるとしている。

 日産は比では現地法人のNPIを2013年に設立、UMPとサンタロサ工場で小型セダン「アルメーラ」を製造してきた。

 NPIはアルメーラの製造のほか、9車種の輸入完成車を販売。20年の同社販売台数は前年比49%減の2万1751台。アルメーラの生産台数は19年で4500台だった。

 UMPは台湾自動車大手、裕隆汽車の100%子会社。昨年9月には日産がUMPとの生産委託契約を延長しないことを決めたと報じられていた。日産は比での販売車について、タイ工場からの輸入を順次増やしてきたほか、コロナ禍で新車販売が低迷したためとみられていた。

 発表前日の20日に生産停止の決定を知らされたというロペス貿易産業相は「日産が比国内の組立工場の閉鎖を発表したことは、比自動車産業の危機的な状況を示すもので、残念だ」と述べた。

 ロペス氏は、日産は19年以降、すでに欧州、米国、発展途上国の各地で工場を閉鎖し、世界全体で約4万2500人の労働者を解雇しているという報道を紹介し、今後も世界での生産能力をさらに20%削減する計画だと説明した上で、比での自動車のセーフガード(緊急輸入制限)措置の必要性を強調した。

 貿易産業省は今月4日、自動車輸入の増加が国内生産に深刻な打撃を与えているとして、輸入自動車のセーフガード(緊急輸入制限)暫定措置発動を発表した。期間は関税庁長官の通達が出てから200日間。並行して関税委員会が正式な調査を実施し、本格導入するか否かを決定する。

 乗用車に1台当たり7万ペソ(約15万1千円)、小型商用車に同11万ペソのキャッシュボンド(現金担保)を徴収。正式調査で完成車輸入が国内産業に重大な影響を与えていないとの結論が出た場合は払い戻されるという。(谷啓之)

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