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1月22日のまにら新聞から

公務員の生活水準調査 汚職撲滅の真剣度

[ 777字|2021.1.22|社会|新聞論調 ]

 2016年1月、大統領候補であったドゥテルテ氏は、当選すれば就任後6カ月で汚職を撲滅すると公約した。6年間の任期の5年目だが、十分な成果は上がっていない。大統領は去年、残り2年足らずの任期のうちに、できるだけ多くの悪い奴らを政府から取り除くと再び約束。8月には汚職対策タスクフォースが作られ、比健康保険公社をめぐる27億ペソもの前払い金不正疑惑で、8人の役員と職員に予防的停職が課された。先月にはオンライン賭博運営会社で働く中国人を不正入国させた疑いで入国管理庁職員40人が同じ処分を受けている。

 司法省が率いる同タスクフォースには、公共事業道路省、入国管理庁、税関庁はじめ全政府機関を捜査する幅広い権限が与えられている。来年6月末の任期満了までに汚職を撲滅することは至難の業だ。包括的な計画があるわけではない。財務省は先週、公式ホームページで汚職通報制度を立ち上げた。財務省とその下部組織である内国歳入庁と税関庁などでの汚職事案について市民の通報を求めている。

 法律には、はっきりと職員の合法的な収入を超えて形成された資産は不正蓄財と見なすと書かれている。にもかかわらず、汚職職員は恥かしげもなく、大きな家、高級な車を持ち、ぜいたくな生活を送っている。こうした職員に対する生活水準調査は進まない。大統領が当初約束した「透明で開かれた政治」を反故にしたからだ。大統領府は大統領の「資産及び負債、純資産の計算書」(SALN)の公表を拒否した。行政監察院もそれにならい、政府高官のSALN取得に本人の承諾が必要との規則を作った。

 内国歳入庁の地域局長が誘拐され、何億ペソもの身代金を払って解放された事例が知られている。こうした事件で被害届が出されることはない。財務省の取り組みが形ばかりのものに終わらないことを願う。(18日・インクワイアラー)

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