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11月29日のまにら新聞から

公人と私人の権利に差 実名公表

[ 630字|2020.11.29|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は大統領府作成のいわゆる「麻薬容疑者リスト」を何度か公表してきた。これに対しては、法廷で有罪判決が下される前から、個人をおとしめているとの批判がある。

 しかし、ドゥテルテ大統領は、麻薬リストに載せるのは政治家や首長ら公人のみであり、しかも「十分な証拠がある場合に限っている」としてきた。昨年3月には議員3人を含む44人の氏名を公表。大統領は「表現の自由、人権、プライバシー保護よりも、公職者については公益や安全保障などが優先する」と説明している。

 大統領は昨年4月、政権打倒を目指す人々のマトリックス(相関図)を公表した。相関図には政治家だけでなく、ジャーナリスト、弁護士、さらには宗教関係者も含まれていたことから、これも新たな批判を呼び起こした。

 当時のパネロ大統領報道官はマトリックス上に実名が載った人々について、その理由を「説明する必要はない」とし、マトリックスは政権打倒に関与する人々の陰謀を暴いた内容であり、そこに載せた人々の訴追が目的ではないと説明した。

 大統領は汚職問題に関しても、汚職の疑いがある者のリストを読み上げたことが2回ある。いずれも公職にある者に限った公表だった。

 大統領のこういった実名公表には、依然として批判もあるが、麻薬や汚職の追放を国民は支持している。公職にある者と一般の人々では、プライバシーをめぐる権利などには違いがあるはずであり、大統領の手法は妥当と考える。(27日、トリビューン)

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