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11月13日のまにら新聞から

過去を見つめ 今に対処を 第1次大戦休戦記念日

[ 792字|2020.11.13|社会|新聞論調 ]

 きょう11月11日は西側諸国で広く第1次世界大戦休戦記念日として記憶されている。1918年11月11日午前5時45分、フランス・コンピエーニュで、フランス、英国、米国の将軍が、ドイツの将軍と会し、同日午前11時発効の休戦協定に署名したのだ。過去102年のなかで、その名称や記念の方法は国によりさまざまである。

 1914年から18年までに約2千万もの人々が殺された。その半数以上が市民だった。その歴史は記憶すべきものだ。さらに休戦後のことも教訓とすべきだ。両軍兵士のほとんどは定刻に武器を置いたが、西部戦線の一部で同日夜、激しい戦闘が起き、他にも数週間後まで小戦闘が頻発した。初めの休戦協定は36日間だったので19年6月のベルサイユ条約で正式に大戦が終わるまで、数回の延長を必要とした。その間、新しい戦争が数カ所で勃発している。

 私たちの今の経験と似ていることから広く知られるようになったスペインかぜは、この休戦までに、すでに世界にまん延していた。隔離、マスクなどの効果的な公衆衛生手段を個人の自由への侵害だとする大衆の愚かな考えも手伝って、20年に自然収束するまでに全部で約5千万人の死亡者を出すこととなる。

 ドイツとオーストリアの君主制に代表される制度化された個人崇拝を終わらせること、有害な軍国主義を払拭することは必要だったが、すでにこっぴどく打ちのめされ、これから復興していこうとする国民をさらに打ちのめす必要はなかった。

 勝利をかみしめている米国民と、それを我がことのように喜んでいる世界数十億の人々は「勝利はその中に次の敗北の種を宿している」という言葉を忘れてはならない。偏狭な考え、不道徳、耐えがたいほどの自分勝手な愚行を受け入れたり赦したりする必要はない。しかし破壊的となっては建設的なことを何も成し遂げることができないのだ。(11日、マニラタイムズ)

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