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10月4日のまにら新聞から

不便さは小さな代償 観光産業復興

[ 651字|2020.10.4|社会|新聞論調 ]

 9月27日は「世界観光の日」だったが、今年は人知れず過ぎ去った感がある。国連世界観光機関(UNWTO)によると、コロナ禍で世界の国際観光は今年第1四半期に前年同期比で22%縮小し、通年では同60〜80%の落ち込みを予測している。同機関は40周年の今年を「観光と地方開拓の年」と定めていたが、コロナ禍でもっとも打撃を受けたのは、観光に生計の多くを依存している地方経済だ。

 国連の推計では、極貧生活を送る世界の人々の80%が農村地域に住み、18億人の若者(15〜29歳)のほとんども農村部に住んでいる。しかし、機会の不足から都市への移住が増加傾向にあり、その結果、農村の開発も止まってしまう。予測では2050年までに世界人口の68%を都市部が占めることになる。

 へき地でも、観光は有意義な仕事と生活をもたらし、持続可能で包括的な経済成長を促進する。観光や旅行産業の復活が急務であることは明らかだ。世界的な観光地のボラカイ島は渡航制限が緩和され、今後の動向に注目が集まっている。宿泊費が最大70%割引されるとはいえ、自費でのコロナ検査に加え、移動にはいまだに多くの制約が伴う。よほどの決意をした旅行者を除き、西ビサヤ地域の外から訪れるのは難しいだろう。

 もっとも、防疫措置で半年余り閉じ込められ、美しいビーチと海を待ち焦がれている人にとって、多少の不便さは小さな代償として受け入れられるかもしれない。観光産業も、人々のそうした姿勢に復活と活性化への期待をかけているだろう。(9月29日・スター)

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