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9月18日のまにら新聞から

国の予算でレッテル貼り 大統領府広報室の審議

[ 782字|2020.9.18|社会|新聞論調 ]

 活動家に共産主義者というレッテルを貼ることは今に始まったことではない。世界で最も長期間、反政府武装勢力が活動する国であり、政府も貧困や不正義がまかり通る現状を公に批判する者を堂々と非難してきた。全国で活動家が殺されている現状は、この行きつく先と考えることができる。しかし、古い習慣であるレッテル貼りが新しい局面を迎えている。下院予算委員会で今月9日、大統領府広報室の来年度予算の概算要求15億9千万ペソに関する審議が中断してしまったのである。

 問題となったのは、広報室のロレイン・バドイ次官が左派系政党選出の下院議員らを比共産党や新人民軍の幹部だとレッテル貼りした行為。「共産武装闘争を終わらせるための政府タスクフォース」の報道官も務めるバドイ次官は、フェイスブックでACTやバヤンムナ、ガブリエラなどの政党からの選出議員を共産党幹部だと決めつけ、議員辞職を呼び掛けたのだ。

 予算委員会の聴問会でバヤンムナ党のサラテ議員は、共産党員とのレッテル貼りにより、本人だけでなく同僚議員や家族も明白な身の危険にさらされているとして、公費を使った理由を正すと同時に、広報室に関する予算審議の中止を求めた。反対意見もなく委員長が審議中止を命じた。アンダナー広報室長は聴問会で、次官は個人のフェイスブックに投稿しただけで、機関の公式見解ではないと釈明するだけだった。

 元々外科医だったバドイ次官は、ドゥテルテ政権を批判するシンクタンクを共産党の息がかかった組織と決めつけ、ロブレド副大統領が娘の米国留学先に中古家具を入手した話を執筆した際に「ゴミ収集女」とこき下ろすなど、問題発言が多い。これは中国大使館から寄贈された最新式メディア機器が帳簿に記載されていないことを会計検査院に指摘された大統領広報組織の「基準」に合った言動なのだろう。(16日・インクワイアラー)

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