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7月17日のまにら新聞から

内実を伴わない作業部会の設置 麻薬戦争犠牲者への再調査実施

[ 712字|2020.7.17|社会|新聞論調 ]

 南コタバト州サントニーニョ町のマティノン町長が10日、道路建設現場を視察中に射殺された。町長の名前は2016年にドゥテルテ大統領が公表した麻薬元締めリストに掲載されており、名前の出た政治家らの何人かが殺されている。7日にはマニラ市検察局幹部のセナドス氏が職場に向かう車の中で殺されている。セナドス氏は先月、大統領府周辺でのデモで捕まった性的少数者の権利を主張する人々20人を含む、同市の防疫措置に違反したとして警察に捕まった人々の釈放を命じていた。

 セナドス氏は現政権下で殺された司法関係者の50人目。この殺人は現政権の残忍な麻薬戦争とともに現れた暴力が支配する状況を体現している。警官や殺し屋が簡単に人を殺しても、責任を取らないですむ環境を作り出したからだ。有罪判決は過去4年で1件だけで、訴追して殺害を止めさせるという政府の誠実さが疑われる。

 ゲバラ司法相は6月30日、国連人権委員会に対し、省庁間作業部会を設置し、麻薬戦争で死亡した5655人に関する再調査と遺族への支援、違法行為が発覚した警官の訴追を支援すると通告した。同日、国連人権委員会に麻薬戦争に関する調査報告書が提出されたことに対する政府側の反応だ。国際刑事裁判所も年内に大統領に対する正式な調査を開始するか否かを決める。比人権委員会も現政権で人権活動家134人が殺害され、大統領自ら糾弾する発言が人権活動家に対する暴力を処罰しない環境を生み出していると結論づけた。

 標的にされた個人や組織に対する暴力が続く限り、政府が作業部会設置を宣言しても、責任と調査を求める声から逃れるための内実を伴わないジェスチャーだろう。(14日・インクワイアラー)

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