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12月1日のまにら新聞から

将来描ける時代はいつ? 子育てへの逆風

[ 640字|2019.12.1|社会|新聞論調 ]

 有名なラブチーム「ジャディーン(ジェームス・レイドとナディーン・ルストレ)」がインタビューで「この不幸せな時代に自分たちが赤ちゃんを育てる姿が想像できない」と答えたのを知った。この世代には共有する子育てへの抵抗がある。ニューヨークタイムズにルイ・ススマンが書いた「赤ちゃんの終わり」のように。

 ブルームバーグによると、1960年は5人だった生涯出産回数が、17年には2・43人に落ちている。フィンランド政府は、子ども1人につき1万ユーロ(約56万ペソ)の「赤ちゃんボーナス」を支給し、エストニア、日本なども子育て支援制度や支給で、出産を奨励している。

 フィリピンでは貧困層が人口増に「貢献」しているが、周辺にいる同年代には子育てが嫌いという人が多い。元クラスメートが親になったとの珍しい知らせは皆祝うが、今年は破局のニュースが上回った。

 ススマンが問題の一端を説明してくれている。私たちの経済環境は長時間労働と低賃金で恋愛する余裕を与えない。仕事のキャリアを積む努力や将来のための勉強に忙殺され、性的活動に比重を傾ける時間がないのだ。

 アマゾンやオーストラリアの森林火災のニュースを始め、世界で起こる出来事も子育てには逆風になっている。今の子どもたちはすでに自らの未来に不安を覚えている。子どもの減少と現実世界の問題への解決策がないことは直結している。誰もが希望を持ち、将来を描ける時代はいつ来るのだろう。(11月29日・インクワイアラー、ミカエル・バイロシス)

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