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7月12日のまにら新聞から

夫婦のような比米関係 比は米国安全保障上の枢要

[ 822字|2019.7.12|社会|新聞論調 ]

 国防省の高官が一度、私に冗談交じりで「われわれはあなたに離婚を持ちかけることはありません」と言い、私も「いいでしょう。フィリピンでは離婚は認められませんし」と答えたことがある。この会話が示すとおり、米国は比を自身の国防上、また安全保障上、重要な部分であると認識している。アジア太平洋地域におけるパワーバランスを維持し、海上安全保障を維持する観点から比が重要な戦略的位置にあることを理解している。

 オバマ前大統領時代のカーター国防長官も、比は米国のアジア政策における「枢要の中心的部分である」と表現している。これはトランプ政権でも同じことで、中国が台頭するなか、インド・太平洋地域の航行の自由を保持するという米国の戦略において比は重要な位置にある。トランプ大統領自ら「軍事的な視点から比は最も重要な不動産の一部だ」と表現している。

 比人の多くも同様に考えている。比の排他的経済水域で比漁船が中国漁船に当て逃げされ沈没した事件が発生した直後に行われた世論調査では、米国を頼りになる同盟国だと信頼する人の割合が92%まで上昇した。世論調査会社SWSの調査でも比人の71%が米国を信頼しているという結果が出ている。中国との経済関係については特に気にしていない国民も多いが、軍事的なパートナーシップでみると米国を唯一の同盟国とみているのだ。

 ドゥテルテ大統領は最近の演説で「中国が安全保障の障害というのであれば、米国が最初に戦端を開け」と挑発した。スカボロー礁を米国のアドバイスに従って撤退したところ、中国は居続けたために現在の状況になったとも不満を述べた。独立外交政策を取る大統領だが、唯一の同盟国である米国との関係は取り換えることが出来ないものだ。430万人の比系米国人が住み、比人の2人に1人が米国に親族を持つか米国行きを考えている。比米関係は波風があっても続く婚姻関係のようなものだ。(7日・スター、ロムアルデス駐米フィリピン大使)

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