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1月23日のまにら新聞から

鳥インフル、比は終息 国際獣疫事務局が宣言 鶏肉の輸送制限を解除

[ 775字|2021.1.23|社会 ]
養鶏場で飼育されているニワトリ=農務省提供

 人にも感染する高病原性鳥インフルエンザ(H5N6型)がフィリピン国内で終息した。今月8日時点で国内でウイルスがニワトリなどの鳥から一切検出されなかったとする農務省の報告に基づいて、国際獣疫事務局(OIE)が比での終息を宣言し、同省が19日に発表した。これを受けて、同省畜産局は生きた家禽と鶏肉製品の国内輸送制限を解除した。

 21日付英字紙ビジネスミラーなどによると、鳥インフルエンザの発生に伴う暫定措置として、検査で陰性の証明がないニワトリなどの家禽とその肉製品はルソン島からビサヤ、ミンダナオへの輸送が禁じられてきた。同局のドミンゴ局長は19日、この制限を解除する通達を出し、家禽と肉製品の移動を認めたほか、飼育しているハトの繁殖、訓練、飛行、レースなどの再開も認めた。

 高病原性鳥インフルエンザは、渡り鳥を通じて伝搬するとされ、比では2017年8月にルソン島パンパンガ州サンルイス町の養鶏場で発生。同年には中部ルソン地域で約20万匹の家禽が殺処分された。翌年には収まったが、20年3月には同ヌエバエシハ州ハエン町でウズラへの感染が、また7〜8月にはパンパンガ州サンルイス町、リサール州タイタイ町の養鶏場で確認され、鶏の殺処分や養鶏場の洗浄、消毒、監視などの作業が行われてきた。

 ダール農相は終息宣言について「ニワトリなど家禽の肉が比人に非常に人気のある動物性タンパク源であることを考えると、歓迎すべき進展だ」と述べた。

 畜産局は通達で、これまでの移動制限が感染拡大防止策として有効であったと強調。「被害農家の迅速な報告や、パンパンガ、リサール両州などの自治体の対応、協力に感謝している」とした上で「今後も警戒を怠らず、家禽に異常な死亡例が発生した場合は最寄りの獣医や農業事務所に報告するように」と注意を呼びかけている。(谷啓之)

社会

3日連続で3千人超 首都圏「震源」で第3波の恐れ

[ 1069字|2021.3.8 ] 無料記事

【保健省によると、新型コロナ新規感染者は5日から3日連続で3千人超え】 保健省によると、7日の新型コロナウイルスの新規感染者は3276人となり、累積感染者数は59万4412人、死者は51人増の1万2516人となった。新規感染者は5日から3日連続で3千人を超えた。 1月の比の新規感染者数は千人を割り込む日も あり、2月は1千〜2千人の日が多く、首都圏の防疫措置緩和の声も高まっていた。しかし、昨年10月以来の新規感染3千人突破に、楽観論は吹き飛びつつあり、感染拡大が始まった昨年3月〜5月の第1波、感染が急拡大した7〜9月の第2波に続く第3波に襲われる懸念も出ている。  ドゥケ保健相は6日、記者団に「これから2週間が(感染急拡大を)阻止できるかどうかの山場となる」と重大な局面に至っていることを認めた。  感染再拡大の「震源」となっているのは累積感染者数の3分の1以上を占めている首都圏。フィリピン大などの独立研究グループ「OCTAリサーチ」の5日の発表によると、2月26日から3月4日までの1週間で、首都圏の1日の新規感染者数は約900人となっており、2月19〜25日と比べると50%増加、2月12〜18日との比較では119%増加している。  その要因としてOCTAが指摘するのは感染力がより強いとされる変異種だ。保健省によると、比では5日までに英国型変異種感染者31人、南アフリカ型変異種感染者が52人確認されている。南ア変異種は現在も4分の1以上のバランガイ(最小行政区)が封鎖されている首都圏パサイ市で3月2日に最初に確認された。  ドゥケ保健相は感染再拡大と変異種との「直接的な関係は確認されていない」としているが、OCTAのランジット・ライ研究員は「変異種がゲーム・チェンジャー(前提変更要因)になりつつある」と話しており、パサイ市など首都圏の感染拡大は変異種がもたらしている可能性も高い。  変異種は帰国したフィリピン人海外就労者(OFW)の周辺で見つかるケースが多く、帰国者に対する検疫体制に「水漏れ」があったともみられる。  OCTAによると、感染者1人が他の人にうつす平均数を示す首都圏の実効再生産数は3月1日の1・5よりはやや下がったがなお5日時点で1・47と極めて高い水準にある。  比の累積感染者数は世界30位。感染者数、死者数はいずれも東南アジア、北東アジア地域内ではインドネシアに次いで2番目に多い。  ただ、比における人口100万人当たりの新型コロナ累積感染者数は世界129位の5376人、同死者も118位の113人にとどまっている。(石山永一郎)