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1月22日のまにら新聞から

公文書をやさしい言葉で 知る権利のための法案

[ 777字|2021.1.22|社会|新聞論調 ]

 簡単で率直、理解しやすい言葉を使うことが大切だ。これがサント・トマス大学英語学部のレイチェル・リンタオ教授が最近、オンライン・セミナーで強調したことだ。彼女は法律文書でやさしい言葉を使用することを推進する国際組織クラリティのフィリピン代表でもある。

 彼女は言う。「やさしい言葉は読者を中心にしたものだ。読者には言葉の調子、表現方法、文章の組み立てで、文書に含まれている全ての情報が自分のために書かれたことがわかる。読者は年齢や職業、忙しさ、読解力の高低などさまざまだ」

 リンタオ教授によれば、やさしい言葉とは情報内容を減らすことでも、割り引くことでもない。彼女はトマス・クーリー法学大学院のジョー・キンブル教授の言葉を引用した。「やさしい言葉とは意図された読者のための明瞭で効果的な文である。やさしい文を書くには複雑なものを明瞭にし、入り組んで人間味のない文の中に埋もれがちな意味を明らかにするため、かなりの技術、熱心さ、忍耐が必要である」

 彼女は付け足した。「リト・ラピッド上院議員が最近、政府の国民向けお知らせ、通知、その他の類似文書に、やさしい言葉の使用を義務づける法案を提出した。文書が公開されているだけではなく、書かれている内容が理解されてこそ、憲法に保障されている情報への権利が実現されることを思うと、喜ばしい展開だ」

 これまで同様の法案が、グレース・ポー上院議員をはじめ、議会上下両院で提出されてきた。残念ながら、優先議案となってこなかったためか、いずれも委員会通過を見ていない。情報公開法のほうは16年にドゥテルテ大統領が署名している。

 国際調査で、比人の読解力がいつも低い順位にあることを思うとき、やさしい言葉を使おうという提案は、時機を得た、重要なものと言える。(20日・スタンダード、ジェニー・オルトゥオステ)

社会

「強制ではない」と内閣相 職場での義務付け禁止へ

[ 884字|2021.3.6 ] 無料記事

【ワクチン接種について内閣相「強制ではない」。労働雇用省もガイドライン作成へ】 国内での政府ワクチン接種プログラムが今週から始まったのを受けて、一部の企業や地方自治体などでは接種しない従業員の就業を禁止する方針が検討されているが、ノグラレス内閣相は4日の記者会見で「政府はワクチン接種を強制するものではない」と言明、就業条件としてワクチン接種を義務付ける考えに反対の立場を示した。労働雇用省もワクチン接種の費用を使用者が負担し、接種拒否を理由とする解雇を禁止することなどを盛り込んだ職場向けのガイドラインを出す見込み。5日付英字紙マニラタイムズが報じた。  ノグラレス内閣相の声明は、トレニャス・イロイロ市長が最近発表した声明に反応したものとされている。同市長は声明で「市内で勤務するすべての従業員に対して就業を許可する前にワクチン接種を義務付けることを検討している」と表明していた。  労働者のワクチン接種については、ベリョ労働雇用相が3日、「ワクチン接種を拒否した労働者を解雇してはならない」と警告し、すでに企業内でのワクチン接種に関するガイドライン草案を策定、労使関係団体などから意見を集めるために周知していると述べている。このガイドライン草案によると、職場でのワクチン接種費用はすべて事業主や使用者が負担し、その従業員に費用を負担させてはいけないことを明示。さらに、接種を拒否した従業員を解雇するなどの差別的待遇を禁止している。  労働組合側などからはガイドラインに賛同する声がすでに寄せられており、ベリョ同相は5日にもガイドラインに署名する予定という。同相は「従業員にワクチン接種を義務付けることは法律的に根拠がない。そういった行為は違法な停職処分ないし違法解雇とみなされる」と述べ、財界に対して改めて警告している。  上院労働委員会の委員長を務めるビリャヌエバ上院議員もこのほど、「最近の世論調査で、安全性の問題ゆえに国民の47%がワクチン接種を望まないと答えている。ワクチンに対する懸念がある中で、接種を拒否した労働者に落ち度があるとみなすことはできない」と述べ、従業員への接種強制に反対する立場を明言している。(澤田公伸)