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1月17日のまにら新聞から

もう一つのウイルス感染 ASF蔓延

[ 663字|2021.1.17|社会|新聞論調 ]

 新型コロナウイルスの各種ワクチンが登場し、1世紀に一度という世界的な惨劇の終わりは約束されている。しかし、緊急に封じ込める必要がある、もう一つのウイルス性疫病がある。

 休暇期間中に豚肉価格が高騰した。クリスマス時期の需要の高まりだけではなく、国内養豚業がアフリカ豚熱(ASF)と戦い続け、価格が高止まりしているからだ。

 ASFは豚にとって非常に致命的な病気で、伝染性も高い。フィリピン国内の蔓延(まんえん)は2年目に入っており、養豚業界関係者によると、国内の豚1300万頭のうち580万頭が失われ、これまでに推定1350億ペソの損害が出ている。

 豚肉供給でルソン島はビサヤとミンダナオの生産者に大きく依存しているが、ASFが両地域にも広がるとどうなるだろうか。比の豚肉は90%が国内で調達されている。国内には冷凍肉、魚、植物などの農産物の国境検査施設さえなく、輸入を増やすと、家畜に病気をもたらすリスクはさらに高まる。

 封じ込め措置が強化されない限り、さらに数千頭単位で豚が死ぬ。ASF発生開始時に実施された特別な封じ込め措置は継続されなければならない。必要なのは、裏庭養豚から大規模業者まで、すべての業者を徹底的かつ効率的に監視することを含む厳格な施行だ。

 ASFウイルスに汚染された豚肉をうっかり食べても、人間に感染しないと人々は安心した。最初の恐怖は和らいでおり、コロナほど危険ではない。しかし、養豚業が脅かされ、食料安全保障は危機に瀕(ひん)している。より積極的な対応が必要だ。(16日・スター)

社会

「強制ではない」と内閣相 職場での義務付け禁止へ

[ 884字|2021.3.6 ] 無料記事

【ワクチン接種について内閣相「強制ではない」。労働雇用省もガイドライン作成へ】 国内での政府ワクチン接種プログラムが今週から始まったのを受けて、一部の企業や地方自治体などでは接種しない従業員の就業を禁止する方針が検討されているが、ノグラレス内閣相は4日の記者会見で「政府はワクチン接種を強制するものではない」と言明、就業条件としてワクチン接種を義務付ける考えに反対の立場を示した。労働雇用省もワクチン接種の費用を使用者が負担し、接種拒否を理由とする解雇を禁止することなどを盛り込んだ職場向けのガイドラインを出す見込み。5日付英字紙マニラタイムズが報じた。  ノグラレス内閣相の声明は、トレニャス・イロイロ市長が最近発表した声明に反応したものとされている。同市長は声明で「市内で勤務するすべての従業員に対して就業を許可する前にワクチン接種を義務付けることを検討している」と表明していた。  労働者のワクチン接種については、ベリョ労働雇用相が3日、「ワクチン接種を拒否した労働者を解雇してはならない」と警告し、すでに企業内でのワクチン接種に関するガイドライン草案を策定、労使関係団体などから意見を集めるために周知していると述べている。このガイドライン草案によると、職場でのワクチン接種費用はすべて事業主や使用者が負担し、その従業員に費用を負担させてはいけないことを明示。さらに、接種を拒否した従業員を解雇するなどの差別的待遇を禁止している。  労働組合側などからはガイドラインに賛同する声がすでに寄せられており、ベリョ同相は5日にもガイドラインに署名する予定という。同相は「従業員にワクチン接種を義務付けることは法律的に根拠がない。そういった行為は違法な停職処分ないし違法解雇とみなされる」と述べ、財界に対して改めて警告している。  上院労働委員会の委員長を務めるビリャヌエバ上院議員もこのほど、「最近の世論調査で、安全性の問題ゆえに国民の47%がワクチン接種を望まないと答えている。ワクチンに対する懸念がある中で、接種を拒否した労働者に落ち度があるとみなすことはできない」と述べ、従業員への接種強制に反対する立場を明言している。(澤田公伸)