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11月27日のまにら新聞から

テロ防止法は自由への脅威 最高裁で予備協議開始

[ 757字|2020.11.27|社会|新聞論調 ]

 最高裁はテロ防止法の違法判断を求める申し立てについての予備協議を11月26日に予定している。現在までに同法に対して出された申し立てはフィリピン史上最高の37件。その多くが、同法を憲法が保障する自由への脅威と捉えている。あいまいで幅広いテロの定義に加え、閣僚から成るテロ防止委員会が裁判所の令状なしに個人または団体をテロ指定できる権限を問題としいる。被疑者の起訴前勾留を3日間から最長24日間に延長したことや、被疑者への盗聴の規定にも疑問を唱えている。

 申立人には元最高裁判事、比大法学部教授、活動家、労働者、市民グループやイスラム教の指導者が含まれ、3つの弁護士会も同法の無効を求めている。10月17日に出された施行規則は「合理的な疑い」に基づき、テロリストを指定し、その氏名を新聞とホームページに掲載する権限を同委員会に与えている。テッド・テ元最高裁報道官は「憲法が厳密に定義する逮捕・捜査のための相当な理由の基準を施行規則はうやむやにしている。無罪推定、挙証責任などの点でも憲法上の疑義がある」と警告した。

 切迫感が高まっているのは、政府がアエタ族の男性2人を同法適用第1号でオロンガポ市裁判所に起訴したことだ。軍は2人を新人民軍(NPA)のメンバーで兵士1人を撃ち殺したとしている。しかし人民弁護士全国連合(NUPL)は2人が軍の作戦と砲撃から避難していたに過ぎず、2人が持っていたとされる火器と爆発物は軍が仕込んだものだとしている。

 政府高官とその一味にとって、テロリストは、反対派、活動家、人権運動家、弁護士、ジャーナリストらドゥテルテ政権に批判的な人々を幅広く含むことができる便利な言葉となった。国民に保証された自由を脅かすテロ防止法を決して認めてはならない。(24日、インクワイアラー)

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