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5月31日のまにら新聞から

マスクなく笑える時代を 今を前向きに

[ 652字|2020.5.31|社会|新聞論調 ]

 新婚で最初の妊娠だった私のため、今年2月、義母がベビーシャワーを設置する計画を考えてくれた。ところが新型コロナウイルスの感染者数が増加し、3月中旬には強化防疫地域(ECQ)に組み込まれ、様々な規制が始まったため、ベビーシャワーは見送られた。

 妊娠7カ月目の4月、赤ん坊を迎える「巣作りの欲求」に駆られ、最低限必要なものをインターネットで一つずつ調達し始めた。注文の商品は予定通りに届き、状態も良い。ワンクリックで物が手に入る現代に生きる幸運を改めて感じた。一方、試着ができないことや、欲しい商品がクレジットカードに対応していないなど、ネット購入には不便な面もある。

 だが、コロナ収束後の「新常態」への移行期にある今、妊婦に限らず、誰しも多くの壁に突き当たっていることだろう。

 私も夫も医師であるが、妊娠中の私は、現場を離れることが許されている。自然とコロナ患者を診る機会が多くなった夫とは、安全のため離れて暮らすしかなくなった。絶望的な状況でも、私は常に明るい面を見るよう心がけてきた。商品を次から次にスクロールし、その過程を楽しみ、費やした時間は気晴らしにもなっていた。

 子どもを外に連れ出し、感染の心配など気にせず公園で自由に走らせたい。コロナ禍の中でも、そんな気持ちに変わりはない。学校で友達と、マスクもなく一緒に笑い、困った人に素手を差し伸べ、父親と抱き合って遊ぶ。そんな世界を、お腹の中の子どもにも経験させてあげたいと願っている。(28日・インクワイアラー、デニス・ベルガラ)

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