体調変化は「眠気」 重篤な副反応はなし
まにら新聞の比人記者(67)が中国シノバック製の新型コロナワクチンを接種
まにら新聞のベテランフィリピン人スタッフであるボイ・ガルベス英文記者(67)がこのほど、マカティ市で中国のシノバック製の新型コロナワクチン接種を受けた。3日現在、重篤な副反応などはないが「睡眠に必要な時間が長くなった」など体調に若干の変化があるという。同記者が体験ルポを書いた。
困難な状況を克服するため、やりたくないことをする時、比人は「KAPIT SA PATALIM」(ナイフの刃をぎゅっと握る)と言う。4月12日にマカティ市にワクチン接種のオンラインで登録した時は、そんな気持ちだった。首都圏の病院がほぼ満床となり、医療が崩壊していたころだ。私の弟(60)も新型コロナに感染、2週間入院した。感染は全く他人事ではなく、接種を決意した。
2月のパルスアジアの調査では、ワクチン接種について61%が不安を感じると答えている。また、接種する際、中国製ワクチンを望む人は22%で、ファイザー製を望む人52%と比べてかなり少なかった。私も選べるなら、ファイザー製かモデルナ製を選んだだろう。
しかし、私に接種されたワクチンは有効性が50%ほどと言われている中国のシノバック製だった。政府や薬品医薬品局は高齢者や既往症のある人にはシノバック製の使用を推奨している。
▽痛みなくあっという間
登録を済ませると「接種日は4月28日」とのテキストメッセージが届いた。私は優先度A2(60歳以上の高齢者)に分類されるが、既往症を持つ者(A3)でもあるためか、登録から接種までは早かった。
28日午前10時半、接種会場のマカティコロシアムに行った。高齢者IDを示し、中に入ると広いコロシアム内には医師や看護師のほか接種を待つ高齢者らが50人ほどいた。
まず、血圧を測られ、
その後、健康状態に関する簡単な質問をされた。
いよいよ接種だ。接種
デスクに行くと、3人いた看護師の1人が私の左腕を軽く叩いた後、注射針を上にかざして空気を抜き、左上腕部に刺し、丸い絆創膏を貼った。あっという間で痛みもほとんどなかった。
接種後は、直後に起こりうる副反応対策のため15分ほど待機エリアに留め置かれた。その後、全員別の部屋に移り、指にパルスオキシメーターを当てられ、動脈血酸素飽和度と脈拍を測られた。そして、何らかの症状が出た際に備え、解熱鎮痛剤パラセタモールを12錠渡され、1回目の接種は終わった。
▽接種直後に友人は発症
3日現在、接種した左上腕に痛み、腫れなどはない。発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、食欲不振なども幸いない。ただ、接種した日の午後は眠気に襲われ、ほぼ終日、眠り続けた。今も以前より眠気に襲われることが多く、
より長い睡眠が必要になった気がする。
2回目の接種は5月最終週の予定。ワクチンが効果を発揮することを願っている。しかし、ケソン市に住む友人の元政府職員(61)は、シノバック製接種から1週間後に新型コロナを発症し、3週間入院した。油断はできない。外出時はマスクとフェイスシールドを身につけて人混みを避け、まめに手を洗うなどの感染防止策は続けている。(ボイ・ガルベス)