在比邦人のコロナ死9人 「疑い」含め 日本大使館集計
日本大使館によると、比での日本人の新型コロナ死亡者は、疑いを含め9人
在フィリピン日本大使館は21日、昨年から流行の新型コロナによってフィリピンで死亡した日本人の数が9人に上っていることを明らかにした。ただし、この中には死因は確定されず「新型コロナであった疑いが強い」人も含まれているとしている。首都圏の新型コロナ病床がほぼ満床となっている中、コロナによる在比邦人の死者は今後も増え続ける恐れがある。
在比邦人の累積感染者数について大使館は約30人としているが、大使館が把握できないケースも多く「実際はこれよりかなり多い可能性が高い」としている。
大使館は死者の名前や居住地などについては一切明らかにしていないが、まにら新聞の調べでは、この9人は、まにら新聞監修「国語・作文教室」の講師を務めていた井本恒治さん(3月9日死去、享年71、マカティ市)、日系比人の子どもの支援をしているNGO「JFCネットワーク」スタッフの河野尚子さん(4月1日死去、享年45、ケソン市)らとみられる。
比と同様に感染者が急増している日本も大阪府などが似たような状況に陥りつつあるが、21日現在、首都圏の病院の新型コロナ病床(ICU)使用率は82%で、ほとんどの病院が新型コロナ患者の新規受け入れを停止。邦人が感染しても、治療を受けることが困難な状況が続いている。
マニラ市、ケソン市などでは緊急対応として、公園内や病院の隣接地に臨時のコロナ病床を設置するなどの対策を進めている。(石山永一郎)