まにら新聞ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
33度-24度
両替レート
1万円=P4,400
$100=P4,84

4月6日のまにら新聞から

実効再生産数が1・6まで改善 来週にECQ解除もと大統領府

[ 967字|2021.4.6|社会 ]

 フィリピン大などの専門家グループ「OCTAリサーチ」のギド・ダビッド研究員は5日、首都圏とその近郊4州が3月29日から2週間にわたり防疫措置で最も厳しい防疫強化地域(ECQ)に置かれている中で、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」(R0)が同地域でECQ開始当時の1・9から1・6まで改善したことを明らかにした。

 このままECQがさらに1週間延長されれば、同再生産数の下降傾向も続き、来週には同数が1・2まで下がる可能性があると指摘している。

 5日の新規感染者数は8355人で過去1週間に記録していた9千〜1万5千人水準からやや下がった。ただし、同研究員は国内の新規感染者は来週も1万1千〜1万2千人の範囲で増え続けると予想。その後、下降傾向となるが、累積感染者数は現在の約80万人から拡大し、4月末までには100万人を超えると予測している。

 専門家らは来週以降もECQを継続することが好ましいと見ているが、財界や政府は経済への打撃が大きいとしてECQの再延長回避を望んでいる。ロケ大統領報道官は5日、テレビ局のインタビューに対し「首都圏と近郊4州のECQの再延長はたぶんないだろう」と表明した。報道官は、2週間のECQを実施した後、首都圏と近隣4州を1週間の修正防疫強化地域(MECQ)に指定することを保健省が勧告していることも紹介している。

 アビサド予算管理相も「(ECQ下での)現金支給などの支援事業に充てる予算がない」と述べている。

 フィリピンで感染者数が急増している理由の一つとして感染検査体制の拡充もある。ワールドメーターによると、フィリピンの100万人当たりの検査数は9万3904人となっており、日本の7万9640人より多くなっている。また100万人当たりの死者数も121人で、日本の同73人よりは高いものの、欧米諸国よりはかなり低い。検査陽性率は5日現在21%と高水準だが、若年層の感染が多く、軽症・無症状の割合が98・5%と高い。

 新規感染者数が急増している一方、首都圏の多くの病院が満床で「医療崩壊」が迫っているにもかかわらず、死者数が1桁や2桁でとどまる日も多い。ただし、病院にも行けずに自宅などで新型コロナで死亡した人の集計が遅れている可能性もある。(澤田公伸)

社会

中国艇、記者船を追跡 パラワン沖160キロの比EEZ

[ 518字|2021.4.11 ] 無料記事

【南シナ海の比EEZ内で中国艇2隻が、比の記者が乗った船を追跡】 南シナ海にあるフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で8日、中国の艦船が比大手メディアABS─CBNの取材班を乗せた船の進路を妨害、追跡するという事態が起きた。英字紙スター電子版などが報じた。  ABS─CBNのサンブラノ記者によると、取材班がパラワン島から南沙諸島(スプラトリー諸島)のアユギン礁(英名セカンド・トーマス礁)に向かう途中、中国海警局の艦船が一直線に接近、無線で「何をしている」と聞いてきた。比人船長はパラワン島に引き返すことを決断し、船がパラワン島方面に向かったにもかかわらず、中国海警局の船はその後1時間におよび追跡。海警局船が追跡を止めた後は、別の中国小型艇2隻が現れて再び取材船を追跡した。「小型艇は紅稗型ミサイル艇で、各艇が2発のミサイルを搭載していた」と同記者は報告した。  この事態が起きたのはパラワン島から90カイリ(約165キロ)の排他的経済水域内。比国軍のティンドッグ報道官は9日、サンブラノ記者らの協力を受けて調査を始めると発表した。  2019年9月にもアユギン礁へ向かう輸送船を中国が妨害していることをパネロ大統領報道官(当時)が指摘、中国に対する不快感を示したことがある。(竹下友章)