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3月27日のまにら新聞から

「接種の優先順位守れ」 首長13人と俳優らに批判も

[ 1229字|2021.3.27|社会 ]

 政府ワクチン接種プログラムで優先対象となっている医療従事者に交じって自治体首長や著名俳優らが接種していることが分かり、内務自治省は26日までに、問題の首長らに説明を求める出頭命令を出したことを明らかにした。世界保健機関(WHO)の比代表は、共同調達の枠組み「COVAX」を通じた比へのワクチン供給について「優先順位が守られなければ同機関からの支援は得られなくなる可能性がある」と警告。ドゥテルテ大統領も「優先順位を守らなければならない」と国民への演説で呼びかけた。

 26日付英字紙スターによると、ドゥテルテ大統領は25日、「COVAX」の枠組みを通じた英アストラゼネカ製などのワクチン接種について「WHOは優先順位リストを持っている。寄贈されたワクチンの場合はその使用条件を守らなければならない」と述べ、優先順位を守る必要性を強調した。

 新型感染症省庁間タスクフォースが決めたワクチン接種の優先順位は、A1=医療従事者▽A2=60歳以上の高齢者▽A3=併存疾患のある患者▽A4=警官や兵士ら制服組を含む防疫強化措置の必須部門の人員▽A5=生活困窮者▽B1=教師、ソーシャルワーカー▽B2=その他の公務員──などとなっている。

 内務自治省は26日、医療従事者への接種に交じって優先順位がA4グループとされる自治体首長13人がすでに接種を受けており、全員に出頭命令を出したと明らかにした。13人はロムアルデス・タクロバン市長やロサル・レガスピ市長、ペーニャ・ミングラニリャ町長(セブ州)、トーレス・アリシア町長(ボホール州)ら。このうちの多くは「住民らに接種を勧めるために、まず自分が見本となって接種を受けた」と反論しているが、ゲバラ司法相は「行政処分の対象となりうる」と述べている。

 22日には首都圏パラニャーケ市で著名男優のマークアンソニー・フェルナンデス氏(42)もアストラゼネカ製ワクチンの接種を受けたことが判明、厳しい批判を受けている。オリバレス・パラニャーケ市長は25日、テレビ局のインタビューで「接種予定者が当日現れなかったので、残ったワクチンを無駄にしないため、次の優先リストにある併存疾患者であるフェルナンデス氏らに接種することを許可した」と釈明している。この日にはフェルナンデス氏の他に市議と司法省職員の2人も接種を受けたとの証言が内務自治省に寄せられているという。

 デンシン内務自治次官は、縁故や金銭報酬により優先順位が無視されている可能性を指摘。現行法では順序を無視して接種した個人を刑事罰には問えないとし、「彼らが良心の呵責(かしゃく)に悩まされることを期待している」と述べた。

 COVAXを通じた比へのワクチン割当量は全部で4400万回分とされている。そのうち第一陣であるアストラゼネカ製ワクチン48万7200回分が今月4日に比に到着し、中国のシノバック製ワクチンとともに接種事業に使われている。(澤田公伸)

社会

中国艇、記者船を追跡 パラワン沖160キロの比EEZ

[ 518字|2021.4.11 ] 無料記事

【南シナ海の比EEZ内で中国艇2隻が、比の記者が乗った船を追跡】 南シナ海にあるフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で8日、中国の艦船が比大手メディアABS─CBNの取材班を乗せた船の進路を妨害、追跡するという事態が起きた。英字紙スター電子版などが報じた。  ABS─CBNのサンブラノ記者によると、取材班がパラワン島から南沙諸島(スプラトリー諸島)のアユギン礁(英名セカンド・トーマス礁)に向かう途中、中国海警局の艦船が一直線に接近、無線で「何をしている」と聞いてきた。比人船長はパラワン島に引き返すことを決断し、船がパラワン島方面に向かったにもかかわらず、中国海警局の船はその後1時間におよび追跡。海警局船が追跡を止めた後は、別の中国小型艇2隻が現れて再び取材船を追跡した。「小型艇は紅稗型ミサイル艇で、各艇が2発のミサイルを搭載していた」と同記者は報告した。  この事態が起きたのはパラワン島から90カイリ(約165キロ)の排他的経済水域内。比国軍のティンドッグ報道官は9日、サンブラノ記者らの協力を受けて調査を始めると発表した。  2019年9月にもアユギン礁へ向かう輸送船を中国が妨害していることをパネロ大統領報道官(当時)が指摘、中国に対する不快感を示したことがある。(竹下友章)