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3月22日のまにら新聞から

スプートニク比で生産か ロシア製に緊急使用許可

[ 1087字|2021.3.22|社会 ]

 コロナ感染者が急増し、政府による医療従事者を対象としたワクチン接種プログラムも予定通りに進んでいない中、ロシア製ワクチン「スプートニクV」をフィリピン国内で製造する交渉が最終段階にあることが21日分かった。

 食品医薬品庁(FDA)も18日、同ワクチンに対する緊急使用許可を出したばかり。ロシア製ワクチンが年内に国内製造されることになれば、比のワクチン接種事業も伸展する可能性がある。

 21日付英字紙トリビューンによると、ロシアのファンド会社、ロシアン・ダイレクト・インベストメント・ファンドの幹部は「(スプートニク製造に向けた)比企業との交渉が最終段階にある。契約が締結されれば4〜5カ月後にはワクチン生産を開始できる」と明言した。また、FDAも18日、ロシアの国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所と国防省が共同開発したスプートニクの緊急使用許可を承認。これで国内で使用許可が出たワクチンはファイザー製、アストラゼネカ製、中国シノバック製に次いで4社目となった。

 政府のワクチン担当責任者であるガルベス大統領補佐官も18日、比政府が23日にロシア政府関係者と会合を持ち、計300万回分のスプートニクVを調達する契約を結ぶと発表した。ロシア製ワクチンは4〜5月にかけて比に到着する見込みという。

 スプートニク・ワクチンについては、国際的承認に必要な臨床試験(治験)の最終段階の実施状況が不透明で、安全性を疑問視する見方も出ていた。

 しかし、21日付英字紙マニラブレティンによると、比下院委員会の聴聞会で在比ロシア大使館のエピファノフ大使代理は、英医学誌ランセットにスプートニクの最終段階の治験で91・6%の予防効果が確認されたとの論文が発表されたことを紹介。60歳以上の高齢者に対する治験では効果が91・8%とさらに上昇したという。

 この報告にフロリダ・ロベス下院議員(ブラカン州サンホセデルモンテ市選出、与党・国家統一党)は「スプートニクは高齢者にとって最善のワクチンだ」と称賛、比で国民の多くに接種できるとの期待を示した。

 比のワクチン接種事業はシノバック製60万回分やアストラゼネカ製52万5600回分の提供を受けて1日から始まったが、16日時点で接種を受けた医療従事者らは21万6794人に留まっている。

 比には中国からの新規寄贈分40万回分や比政府購入100万回分、さらにアストラゼネカ製の約98万回分も4月上旬までに到着予定。さらに比政府は最近、インドで生産するノババックス製ワクチン3千万回分を調達する契約も結んでいる。(澤田公伸)

社会

中国艇、記者船を追跡 パラワン沖160キロの比EEZ

[ 518字|2021.4.11 ] 無料記事

【南シナ海の比EEZ内で中国艇2隻が、比の記者が乗った船を追跡】 南シナ海にあるフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で8日、中国の艦船が比大手メディアABS─CBNの取材班を乗せた船の進路を妨害、追跡するという事態が起きた。英字紙スター電子版などが報じた。  ABS─CBNのサンブラノ記者によると、取材班がパラワン島から南沙諸島(スプラトリー諸島)のアユギン礁(英名セカンド・トーマス礁)に向かう途中、中国海警局の艦船が一直線に接近、無線で「何をしている」と聞いてきた。比人船長はパラワン島に引き返すことを決断し、船がパラワン島方面に向かったにもかかわらず、中国海警局の船はその後1時間におよび追跡。海警局船が追跡を止めた後は、別の中国小型艇2隻が現れて再び取材船を追跡した。「小型艇は紅稗型ミサイル艇で、各艇が2発のミサイルを搭載していた」と同記者は報告した。  この事態が起きたのはパラワン島から90カイリ(約165キロ)の排他的経済水域内。比国軍のティンドッグ報道官は9日、サンブラノ記者らの協力を受けて調査を始めると発表した。  2019年9月にもアユギン礁へ向かう輸送船を中国が妨害していることをパネロ大統領報道官(当時)が指摘、中国に対する不快感を示したことがある。(竹下友章)