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3月20日のまにら新聞から

対策閣僚ら 続々隔離 議会、裁判所も閉鎖

[ 1691字|2021.3.20|社会 ]
封鎖された地区周辺の道路を消毒する作業員=17日、首都圏ケソン市(EPA=時事)

 新型コロナウイルス新規感染者は1週間で3万人を超え、ピークだった昨年7月末〜8月中旬の水準に達し、1日の記録としても最多を更新した。政府や議会では感染者や濃厚接触者として隔離される閣僚や議員が続出、庁舎も相次いで閉鎖。ロックダウン(防疫封鎖)から1年が経過して、国としての機能に影響が出かねない状況になってきた。

 ▽2度目の悔しさ

 「また陽性だったことをお知らせするのは残念だ。外出時にはマスクとフェイスシールドを着け、社会的距離を守ってきたのに」。ロペス貿易産業相は18日、記者団に携帯電話でメッセージを送った。コロナ検査で昨年12月に続いて2回目の陽性判定。防疫規制を緩和して、どん底の比経済を少しでも回復させようと精力的に取り組んできただけに、悔しさがあふれていた。

 「とても驚き、ショックを受けている」。ロケ大統領報道官も陽性になり、首都圏の防疫強化措置開始から1周年の15日、ズームアプリを使ったテレビ会見で自ら発表した。コロナ対策の参謀本部と言える省庁間タスクフォース(IATF)の広報担当でもある。他の広報関係者らと同じ施設に隔離されながら、業務は完全オンラインで続けている。

 ▽国防・警察首脳も

 日々のコロナ対策を担う国家タスクフォース(NTF)の議長を務めるロレンサナ国防相も隔離中だ。政府系病院の院長と1週間前に濃厚接触があり、病院長に熱やせきの症状が出た。

 NTFワクチン担当のガルベス大統領補佐官、NTF副責任者のディソン基地転換開発公社(BCDA)総裁、警察と自治体を統括するアニョ内務自治相も予防措置で隔離されている。

 コロナ対策の「シールド(盾)合同部隊」の中核として、防疫規則を国民に守らせるために注力してきた国家警察。11日にはシナス長官がコロナ検査で陽性判定、警察施設内で隔離されていることを発表した。濃厚接触者の追跡調査も進めているという。

 ▽審議の遅れ懸念 

 立法府もコロナ禍に見舞われている。

 「自身と愛する人の感染を防ぐための措置だ」

 下院のベラスコ議長は17日夜、本会議場を含め、ケソン市の下院敷地内を21日まで4日間、封鎖するよう事務総長に指示したことを明らかにした。議員や職員には自宅にとどまるよう命じ、「これまで以上に、適切な物理的距離を維持し、良好な衛生状態を実践し、マスクとフェイスシールドを着用することが重要だ」と語った。

 下院では昨年、コロナ感染者の70代議員2人が死亡している。次期副大統領選候補の可能性もとりざたされているロムアルデス与党院内総務のほか、ディフェンサー、リムカイチョン両議員と職員33人の感染が判明している。

 下院は元々、22日から5月16日まで休会の予定だった。閉鎖により休会期間は丸2カ月になる。休会中もオンラインで必要な委員会審議は進めるというが、重要法案が目白押しの中で審議が遅れる可能性も高い。

 上院もホンティベロス議員が陽性者との濃厚接触があったとして自主隔離しているほか、職員26人が感染。ソット議長の指示で17日夜から23日まで議会棟を閉鎖。同じ敷地内にある社会福祉開発省本庁舎でも職員数人の感染が分かり、19日〜21日まで閉鎖されている。

 ▽国全体を翻弄

 マニラ市の司法省本庁舎も19日〜23日まで閉鎖中だ。職員7人の感染が新たに確認され、未回復者(アクティブ)が17人となり、ゲバラ長官が18日、ロックダウンを命じた。

 同市の最高裁判所も感染者が2人以上出ており、消毒作業で5日間業務を停止した後、17日から出勤者を通常の半分に減らして再開した。公務員特別裁判所は18、19日に、控訴裁判所は19、21の両日に閉鎖して消毒作業を実施。全国の地方裁判所、自治体裁判所も裁判所ごとに時期をずらして14日間の業務停止措置が取られている。

 マスクの着用、互いの距離の確保など、民間の企業や家庭よりも厳しく防疫規則を守っているはずの司法機関も含め、国全体がコロナに翻弄(ほんろう)されている。(谷啓之)

社会

中国艇、記者船を追跡 パラワン沖160キロの比EEZ

[ 518字|2021.4.11 ] 無料記事

【南シナ海の比EEZ内で中国艇2隻が、比の記者が乗った船を追跡】 南シナ海にあるフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で8日、中国の艦船が比大手メディアABS─CBNの取材班を乗せた船の進路を妨害、追跡するという事態が起きた。英字紙スター電子版などが報じた。  ABS─CBNのサンブラノ記者によると、取材班がパラワン島から南沙諸島(スプラトリー諸島)のアユギン礁(英名セカンド・トーマス礁)に向かう途中、中国海警局の艦船が一直線に接近、無線で「何をしている」と聞いてきた。比人船長はパラワン島に引き返すことを決断し、船がパラワン島方面に向かったにもかかわらず、中国海警局の船はその後1時間におよび追跡。海警局船が追跡を止めた後は、別の中国小型艇2隻が現れて再び取材船を追跡した。「小型艇は紅稗型ミサイル艇で、各艇が2発のミサイルを搭載していた」と同記者は報告した。  この事態が起きたのはパラワン島から90カイリ(約165キロ)の排他的経済水域内。比国軍のティンドッグ報道官は9日、サンブラノ記者らの協力を受けて調査を始めると発表した。  2019年9月にもアユギン礁へ向かう輸送船を中国が妨害していることをパネロ大統領報道官(当時)が指摘、中国に対する不快感を示したことがある。(竹下友章)