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2月4日のまにら新聞から

PAL 2300人削減へ 従業員の約3割 3月中旬に

[ 1017字|2021.2.4|社会 ]
防疫措置強化で多くの便の運航がキャンセルされ、マニラ空港の駐機場に並ぶフィリピン航空機=2020年3月18日撮影(EPA=時事)

 フラッグキャリアーのフィリピン航空(PAL)は2日、全従業員の約30%に当たる2300人の人員削減を実施すると発表した。実施は3月中旬で、削減対象の2300人は自主退職と解雇がほぼ半々とみられている。昨年10月までに策定された当初の合理化計画では、全職員の35%に当たる従業員2700人の人員削減を20年中に予定していたが、実施が遅れていた。

 比が拠点の航空会社では、国内格安航空最大手のセブパシフィックが昨年、全従業員約4千人の3割に当たる約1200人を解雇、エアアジア・フィリピンも昨年、従業員260人を解雇している。PALの人員削減はこれを人数で上回る大規模な合理化となる。

 PALは、今回の人員削減について「世界の航空業界に大打撃を与えている新型コロナ禍の中での取り組みの一部」と説明。ギルバート・サンタマリア社長は「これまでは一時帰休や柔軟な勤務体制を導入し、解雇を可能な限り回避してきた。非常に困難で痛みを伴う決断だった」と述べた。

 PALによると、現在の運航便数は、新型コロナウイルス感染流行以前の3割に満たない。

 ▽米破産法適用も

 PALの持ち株会社PALホールディングスは、2017〜19年と3年連続で赤字だった。20年3月以降、設備投資を停止、経営陣の給与削減、航空機リース料の繰り延べなど経費削減に努めてきた。しかし、1〜9月期の損失が288億5千万ペソに拡大、通年ではさらに大幅な赤字が確実な状況となっている。

 PALは昨年11月の声明で「包括的な回復と構造的見直しの計画策定を継続する」と表明。債務返済の不履行による倒産・清算を避けるため米連邦破産法11条の適用を申請する検討を進めていることや、所有航空機数の約20%に当たるリース航空機20機を返却するほか、社主のルシオ・タン氏や金融機関からの借り入れで5億500万ドルを調達することが報じられていた。

 米連邦破産法第11条は日本の民事再生法に相当。米連邦破産裁判所に適用を申請後、裁判所命令で債権の取り立てが停止され、経営陣は債権者と負債の整理や契約見直しを協議しながら、再建計画を策定する。PALは多国籍企業や外資企業の債権者も多く、それらの合意を得て、短期間での再建を目指す方法だ。

 全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングスは19年にPALホールディングスの株9・5%を取得している。(谷啓之)

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