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1月31日のまにら新聞から

果たされない説明責任 SAF44の正義

[ 651字|2021.1.31|社会 (society)|新聞論調 ]

 国家警察特殊部隊(SAF)の44人がバンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)、モロ・イスラム解放戦線(MILF)の混合部隊との交戦で殺害されてから6年たった。

 44人は2015年1月25日、マギンダナオ州ママサパノ町で国際的なテロリストとされるズルキフリ・アブディール(通称マルワン)容疑者を追い詰めていたところ、50口径バレット・スナイパーライフルで狙い撃ちされ、顔や手足を吹き飛ばされた。

 MILF側も18人が死亡、民間人7人も亡くなっており、和平交渉は停滞。議会上院は、懸賞金500万ドルがかかったテロリストをMILFが保護していると認定し、44人が「虐殺された」との結論を出した。

 「エクソダス」と名付けられたこの作戦を監督していたのは、当時停職中のアラン・プリスマ国家警察長官だった。無謀な作戦を実行したとされるプリスマ氏、SAFのナペニャス隊長、ベニグノ・アキノ元大統領の3人への告発を行政監察院(オンブズマン事務所)は2017年11月に却下。収賄と横領という軽い容疑に変更されたが、この告発や告訴も、オンブズマンと公務員特別裁判所が19年〜20年1月にかけて相次いで退けた。再調査を求める申立書が提出されているが、動きはまだない。

 今日に至るまで、マルワンの子飼がどうやってスナイパーライフルを手に入れ、44人をどう吹き飛ばしたか、詳細はわかっていない。説明責任が果たされない限り、同じような事件で、罪のない人がもっと多く殺される可能性は残ったままだ。(26日・スター)

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