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1月16日のまにら新聞から

ファイザー製の緊急使用認める 比FDA承認第1号

[ 956字|2021.1.16|社会 ]
新型コロナウイルス感染検査で綿棒を使って住民の検体を採取するフィリピン赤十字の医療従事者(中央)=12日、首都圏マンダルーヨン市(EPA=時事)

 フィリピン食品医薬品局(FDA)は14日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認したと発表した。国内でのコロナワクチンの承認は今回が初めて。15日付英字各紙が報じた。

 ドミンゴFDA局長は14日のオンライン記者会見で「医学専門家らによる入手可能なデータを徹底的に審査した結果、緊急使用を許可した」と述べ、「緊急使用許可は商業的な販売許可ではないため、一般の流通市場を通じて使用することはできない」と説明。全国的な接種プログラムに基づく使用に限られるとの認識を示した。

 また、同局長は、中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)も13日、コロナワクチンの緊急使用許可を申請したことを明らかにした。これまで同局に緊急使用許可を申請したのは、英製薬大手アストラゼネカとロシアのガマレラ・インスティテュートの2社も含め、4社目となった。

 一方、コンセプション大統領補佐官やロケ大統領報道官、ガルベス大統領顧問(ワクチン担当)は14日、アストラゼネカ比子会社のラミン社長らも参加して、全国39地方自治体と民間企業約300社によるワクチン購入に向けた3者間契約の署名式に参加した。合計1700万回分の接種量に相当するワクチンを購入する一括契約にあたる。

 コンセプション大統領補佐官は署名式で「フィリピンは決してこの戦いから取り残されない。国民への(アストラゼネカ)ワクチン接種は今年6月か7月から始められることを希望している」と述べた。

 ドゥテルテ大統領は13日、国民向け演説で、政府のワクチン接種プログラムの予算として825億ペソを計上していると明らかにした上で、アヤラ財閥やアボイティス財閥、実業家のパギリナン氏や国内製薬大手ユニラブなどが政府への支援を申し出ていると言及した。

 特にパギリナン氏やアヤラ財閥は全国のワクチン接種プログラムに関してサプライチェーンに詳しい経営幹部やコンサルタントを用意すると表明しているという。

 早ければ2月にも中国シノバック製のワクチンを使った接種プログラムを開始すると政府も表明しており、官民の協力による同プログラムが成功するかが今後の比の感染抑え込みの鍵を握りそうだ。(澤田公伸)

社会

3日連続で3千人超 首都圏「震源」で第3波の恐れ

[ 1069字|2021.3.8 ] 無料記事

【保健省によると、新型コロナ新規感染者は5日から3日連続で3千人超え】 保健省によると、7日の新型コロナウイルスの新規感染者は3276人となり、累積感染者数は59万4412人、死者は51人増の1万2516人となった。新規感染者は5日から3日連続で3千人を超えた。 1月の比の新規感染者数は千人を割り込む日も あり、2月は1千〜2千人の日が多く、首都圏の防疫措置緩和の声も高まっていた。しかし、昨年10月以来の新規感染3千人突破に、楽観論は吹き飛びつつあり、感染拡大が始まった昨年3月〜5月の第1波、感染が急拡大した7〜9月の第2波に続く第3波に襲われる懸念も出ている。  ドゥケ保健相は6日、記者団に「これから2週間が(感染急拡大を)阻止できるかどうかの山場となる」と重大な局面に至っていることを認めた。  感染再拡大の「震源」となっているのは累積感染者数の3分の1以上を占めている首都圏。フィリピン大などの独立研究グループ「OCTAリサーチ」の5日の発表によると、2月26日から3月4日までの1週間で、首都圏の1日の新規感染者数は約900人となっており、2月19〜25日と比べると50%増加、2月12〜18日との比較では119%増加している。  その要因としてOCTAが指摘するのは感染力がより強いとされる変異種だ。保健省によると、比では5日までに英国型変異種感染者31人、南アフリカ型変異種感染者が52人確認されている。南ア変異種は現在も4分の1以上のバランガイ(最小行政区)が封鎖されている首都圏パサイ市で3月2日に最初に確認された。  ドゥケ保健相は感染再拡大と変異種との「直接的な関係は確認されていない」としているが、OCTAのランジット・ライ研究員は「変異種がゲーム・チェンジャー(前提変更要因)になりつつある」と話しており、パサイ市など首都圏の感染拡大は変異種がもたらしている可能性も高い。  変異種は帰国したフィリピン人海外就労者(OFW)の周辺で見つかるケースが多く、帰国者に対する検疫体制に「水漏れ」があったともみられる。  OCTAによると、感染者1人が他の人にうつす平均数を示す首都圏の実効再生産数は3月1日の1・5よりはやや下がったがなお5日時点で1・47と極めて高い水準にある。  比の累積感染者数は世界30位。感染者数、死者数はいずれも東南アジア、北東アジア地域内ではインドネシアに次いで2番目に多い。  ただ、比における人口100万人当たりの新型コロナ累積感染者数は世界129位の5376人、同死者も118位の113人にとどまっている。(石山永一郎)