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11月29日のまにら新聞から

ワクチン接種まで辛抱を Xマス期の感染防止

[ 633字|2020.11.29|社会 (society)|新聞論調 ]

 来年末までには、米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が広範囲の人々に行われると報じられている。人類は新型コロナに敗北するといった悪夢さえ広がっていた中、人々を安心させ、落ち着かせるニュースだ。ただ、世界各国の人々にワクチン接種が広がるのは、最短でも22年以降になるだろう。

 フィリピンでは、ワクチンに必要な冷蔵と輸送の準備が始まっている。しかし、政府が目標としている6千万人への接種を終えるまでには、比人は長い列を作って待たなければならなくなりそうだ。現段階での最も楽観的な予想でも、接種開始は21年の第2四半期とみられている。

 その間、新型コロナは引き続き、恐ろしい病であり続ける。外出時にはマスクとフェイスシールドを着用し、他人と1メートル以上の距離を取り、手洗いと消毒で予防を続けるしかない。

 しかし、クリスマスの時期は他の人と社会的距離を取ることが難しくなる季節でもある。たとえば毎年、マニラ市ディビソリア地区はクリスマス用の装飾品やプレゼントを買い求める人々であふれかえる。カトリック教会もクリスマスが近づくほど、多くの信者が集まるようになる。

 保健省はクリスマス時期に爆発的感染が起きないよう、引き続き最大限の感染防止策を取ることを人々に求めている。

 ワクチン接種が実現するまで、ウイルスは世界各国でまだ多くの人を死に至らしめるだろう。過去8カ月以上の経済的犠牲を無駄にしないよう、もうしばらく耐え忍ぶしかない。(26日、スター)

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