まにら新聞ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
32度-24度
両替レート
1万円=P4,520
$100=P4,835

8月2日のまにら新聞から

学習への関心失う子どもたち 長期休校の弊害

[ 628字|2020.8.2|社会|新聞論調 ]

 休校が長引けば長引くほど、子どもたちは新しく学んだことを忘れる。国際的な研究によると、通常の夏休みでさえ、学習の損失は20%と言われている。

 現状のフィリピンの学校教育はすでに世界標準に大きく後れをとっている。79カ国の15歳を対象とした2018年の学習到達度調査(PISA)では、読解力で比が最も低く、数学と科学は2番目に低かった。

 比でも私立校の15歳は世界トップクラスだったが、総合評価は公立校の生徒によって引き下げられた。これは教育における社会的な格差も意味している。

 最近では、比人は東南アジア諸国連合(ASEAN)で最も知能指数(IQ)が低いという結果が出てしまった。ただでさえ、問題を抱えていた比の教育が、新型コロナウイルスの感染拡大により、もう5カ月も中断されたままになっている。

 これだけ長引くと子どもたちは学習への関心を失ってしまう恐れさえある。また、コロナ禍で、私立校を中心に、子どもを学校に通わせられなくなった家庭も多い。学校に通わなくなった子どもが一家の働き手になっている例もあるとみられる。

 政府は新学期を8月24日と決めているが、対面授業はできないとされ、インターネット、テレビ、ラジオを通じた教育を手掛けようとしている。

 どの手段も教室での対面授業よりも教育手段としては劣るが、どのような手段であれ、政治家は学校教育が継続できるよう資金を割り当てるべきだ。(7月31日・スター、ハリウス・ボンドク)

社会

上院が対面授業再開を勧告 教育相も必要性訴え

[ 1010字|2021.3.4 ] 無料記事

【議会上院は、コロナ感染の低リスク地域で公立小中高校の対面授業を試験実施する決議を採択】 上院は2日、新型コロナウイルス感染のリスクが低い地域で公立小中高校の対面授業を即時、試験実施することを勧告する決議を採択した。教育省の方針に基づき、限定的に対面授業を試験実施し、学校の対面授業を安全に再開する枠組みを設計するデータ集めが狙いとしている。  決議は「長期にわたるコロナ禍による学校閉鎖は、最も弱い立場で取り残された児童生徒とその家族に深刻な影響を与え、栄養や子育てなど、既存の教育格差を拡大させた」と分析。一方で、対面授業の実施については、防疫規則や保健省、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)のガイドラインなどに従った「パイロットテスト」と位置付け、児童生徒の参加は自発的とし、保護者の明示的な許可が必要としている。  決議では、2月9日現在で未回復の感染者(アクティブ)がゼロの自治体は全国で3市433町で、パイロット調査に参加予定の学校を1065校(全国の公立学校の約2・2%)と報告。最近の基礎教育委員会公聴会での国連児童基金(UNICEF)の報告を引用し、昨年3月以降、学校が閉鎖されたままの国は東アジア・太平洋地域でフィリピンだけで、世界でも学校を再開していない国は他に13カ国しかないとしている。  決議の共同執筆者のソット議長は「安全面で遠隔教育に利点があるが、対面学習は教育に必要だ。家庭によってインターネットへのアクセスなどに格差があることも考慮することが重要だ」とした上で「断続的であっても、教師が生徒と直接会い、学習状況を確認し、必要な指導をする機会が増える。対面式授業は、効果的な遠隔教育を受けられる生徒と、社会から取り残された生徒との格差、不平等を取り除ける」と述べた。  ブリオネス教育相も2日、児童生徒が長期間、自宅にこもっていることの悪影響を指摘、改めて学校での対面授業を再開する必要性を訴えた。  3日付英字紙トリビューンによると、教育相は「子どもが家に長期間こもっている間、常に親と顔を合わせなければならないため、心理社会的な問題がかなり出てきている」と指摘。「家にいると、家事など雑事を手伝わなければならないこともあり、勉強しようとしても気が散ることが多い」と説明した。100万人以上を対象にした教育省による調査で、生徒たちが対面学習を強く支持していることが分かったことも紹介、「多くの生徒が遠隔学習よりも対面授業を望んでいる」と述べた。(谷啓之)