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3月8日のまにら新聞から

上院選挙が人気投票でよいのか 今年も有名人上位当選の予想

[ 763字|2019.3.8|社会 (society)|新聞論調 ]

 2019年の統一選挙で上院議員の椅子を勝ち取るために必要なものは「人気」だ。例えばリト・ラピッド。彼は全ての世論調査で上位当選を予想されている。その理由は知性でも法案提出の実績でも政策でもない。ゴールデンタイムの人気テレビドラマに登場しているからに他ならない。彼は2016年、アンヘレス市の市長選で現職のパミントゥアン氏に挑んで惨敗し、すでに政治の世界では過去の人だと思われていた。ところが、最近のアクションドラマ番組でその姿が毎夜視聴者に届けられ、彼の人気は復活したのである。

 今や、彼は選挙運動をする必要も、テレビ討論に出る必要もない。たいていの候補者は、選挙期間が始まる前ですら4億ペソもの選挙資金を必要とするそうだが、彼にはそのような大金を用意する必要もない。ドゥテルテ大統領や大政党の後押しも要らない。対照的に、ロハス氏を除く野党第一党の候補者の無名さは、そのまま調査での低迷に反映されている。有権者は、無名の候補者には気にもかけないのだ。

 しかし、選挙は民主主義において極めて重要で神聖なものであるはずだ。もし選挙が正当に行われなければ民主主義は崩壊し、ひいては国家が破綻する。人気によって決まる選挙は悪夢のような結果につながるだろう。とはいえ、現在の状況は変わりそうもない。今年の選挙ではラピッドやボン・レビリヤ、ジンゴイ・エストラダら著名人が当選するだろう。

 かつては、有権者は上院議員の候補者の経歴書を読み、抜きん出た知性と品位をもつ者を選んだものだった。

 しかし今日、人気こそがもっとも大事になってしまった。この浅はかさの代償は、良くても立法府としての仕事が凡庸なものになることだが、最悪の場合は、高潔なる民主主義の府が崩壊することであるだろう。(6日・タイムズ、マーレン・ロンキーリョ)

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