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9月20日のまにら新聞から

東進ハイスクール元講師を起訴 英会話校元経営者への脅迫で セブ州ラプラプ地検

[ 1246字|2018.9.20|社会 (society) ]

英会話学校元経営者の日本人女性に対する脅迫で予備校講師の山中博被告らが起訴された

 セブ州のラプラプ地検はこのほど、同市にある英会話学校「ベイサイド・イングリッシュ・セブ」元経営者の日本人女性(47)と息子(12)を殺すなどと脅して小切手への署名を強要したとして、日本の有名予備校「東進ハイスクール」元講師の山中博被告(40代)ら日本人の男3人を脅迫、強要の罪で起訴した。事件の背景には英語学校の経営権移譲をめぐるトラブルがあったもようだ。

 起訴状によると、山中被告は被害者の日本女性に、すぐに帰国しなければ「殺す」と無料通信アプリのラインを通じて迫った。同校の従業員である松井元輝、土原裕人両被告(共に30代)は2017年1〜2月にかけて被害女性宅で女性名義の口座の白紙小切手に署名しなければ、女性の子供を殺すなどと重ねて脅迫した。

 松井被告はまにら新聞の取材に起訴内容は「事実でない」と全面否定している。

 脅迫、強要を行った際の会話とみられる音声が動画サイト、ユーチューブに公開されていることについて松井被告は「発言内容は事実だが、編集して文脈を変えている。『殺す』と言ったことや無理矢理署名させたような事実はない」と述べている。

 土原、松井両被告は提出した反論供述書で同年1月に被害者の家を訪問したことを否定、同2月の訪問は認めた上で「女性に頼まれて小切手を持って行った。女性の健康を案じ、日本へ帰る航空券の提供を申し出た」などと反論。山中被告も同反論書で「メッセージの一部を切り取り脅迫したように見えるだけ」としている。

 一方、被害者の日本人女性はまにら新聞に対し「私は全てを奪われ、子供を殺すとまで言われた。彼らが犯した罪に対して、ただ謝罪がほしい」と述べている。

 山中被告は東進ハイスクールでは人気講師として知られていた。同スクールによると、現在、講師として在籍はしていないが、同被告による授業ビデオは現在も同校で使われているという。

 山中被告は今年7月までセブ日本人会の理事を務めていたほか、セブ州で貧困児童教育を支援する非政府組織(NGO)「誰でもヒーロー」の代表を今も務めている。

 ベイサイド・イングリッシュ・セブは12年8月に設立され、松井被告は14年から、土原被告は15年から職員として雇われていた。(森永亨)

真実明らかにしたい 山中博被告の話

 被害者の女性に誤解を生むように操作された形で情報が拡散されていることに大変驚き、悲しく思っている。自分の感情を抑えることができないほどの状況があったが、学校スタッフや講師の生活、日本の生徒を守るために、感情や憎しみにゆがめられていない真実を明らかにしたい。

 

寝耳に水、対応検討も 東進ハイスクールの話

 山中氏は2013年まで16年間在籍していた。以後の雇用関係はないが、それまでに収録した授業が録画で受けられるため、公式サイトでは名前を掲げている。今回のことは寝耳に水だが、事実としてこのようなことがあれば、講座から外すなどの対応も検討する。

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