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6月3日のまにら新聞から

歴史の改変を許すな 空港改名提案

[ 646字|2018.6.3|社会|新聞論調 ]

 ネット上で出回っている「ニノイ・アキノ国際空港」を「マニラ国際空港」に改名しようという提案は、歴史を改変しようとする最低の企みである。その先頭にいるのは独裁者マルコス大統領の支持者、ラリー・ガドン弁護士だ。

 ガドン氏はセレノ前最高裁長官排除を唱えた人物で、2016年には和平が決裂したらイスラム教徒を「皆殺しにする」と発言したことでも悪名高い。

 そして今後は、ニノイ・アキノ元上院議員は英雄ではないという話を作り上げようとしている。1987年に議会で決定した空港名に対し「アキノ氏がどんな名誉なことをしたのか」と文句をつけているのだ。

 ネット上では、人物の名を冠した空港はフィリピンにしかないとするデマや、人物名をもつ空港はトラブルが頻発するとの迷信まで流れている。恐ろしいのはこのような考えが、マルコス独裁を知らない21世紀生まれの若者を容易に汚染してしまうことだ。だがアキノ氏をおとしめても、世界有数の独裁者が政権存続のために戒厳令を出し多くの政敵を逮捕した歴史を消し去ることはできない。

 アキノ氏は投獄後、病気療養のため米国に亡命。しかし彼は比の民主主義のため、家族との「人生で最も輝かしい日々」を投げ打って帰国、暗殺された。力尽きた彼の姿が民衆の心に灯をともし、1986年のエドサ革命につながった。

 自分の考えを自由に表明できる時代は彼らの犠牲の上にある。民主主義を守るためにも、ガドン氏のような人々の正体を明らかにしなければならない。(1日・インクワイアラー)

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