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6月1日のまにら新聞から

有期雇用契約の追及を続けよ 労働雇用省の違反企業20社公表

[ 764字|2018.6.1|社会|新聞論調 ]

 ベリョ労働雇用長官が労働法で禁じている有期雇用契約方式で多くの従業員を雇い入れている上位企業20社のリストを公表したのは勇気がいったに違いない。これらは決して小魚ではない。フィリピンのトップ500社入りしている企業ばかりで、たとえばジョリビーやドール・フィリピンズ、フィリピン長距離電話やフィリピン航空、そしてマグノリアなどが含まれていた。

 また、鉱山企業や製造業も含まれている。フィルサガ・マイニング社やヒナトゥアン・マイニング社、そして古河オートモーティブやスミ・ワイヤリング・システムズ、フィリピナス・キョ?リツやブラザー工業なども言及されている。今回公表されたのは有期雇用契約の疑いがあるとして労働雇用省がまず調査した3777社の一部で、このうち767社に違反が認められたという。

 今回の違反はいわゆる「労働のみ契約」と呼ばれる形態で、十分な実態のある資本や設備などを持たない派遣業者が労働者を単にリクルートして契約先の会社に派遣するものだ。しかもこれらの労働者が派遣先の会社の本業に従事している。労働法では見習い雇用の従業員に対して会社は6カ月経過すると正規雇用しなければならないが、それを避けるための方策だ。利益を最大限得るため、この雇用契約を通じて、若く生産性のある比人労働者から経済的安定を奪っているのだ。

 大統領の指示とはいえベリョ長官を含む労働雇用省は、今回の類まれな透明性ある情報開示と政治的意思を示した。これら公表された企業はすべて将来的に政治家に献金も出来るし、法的対抗措置を取ることもできる。それゆえに歴代の長官らは公表まで踏み切れなかったのだ。ベリョ長官は今後も十分な証拠が担保される場合には訴追も視野に追及を続け、リストの残りの企業名の公表にも踏み切って欲しい。(30日・タイムズ)

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