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5月25日のまにら新聞から

上院議会廃止も検討を ソット議長の誕生

[ 766字|2018.5.25|社会|新聞論調 ]

 このほどピメンテル議長に代わってソット議員が上院議長に就任したことを歓迎したい。ピメンテル議長は議会運営が遅延しがちで決断力がなく、アルバレス下院議長から「のろまな議会」という汚名も付けられていた。ピメンテル議長は上院では唯一の与党議員として政権の運営を支援しなければならない立場にもかかわらず、なぜか連邦制導入など重要な政府案の促進に消極的だった。彼の父親のレネ・ピメンテル元上院議員がかつて連邦 制導入を数十年間にわたり粘り強く訴えてきたことを考えると皮肉だ。

 僚友のラクソン議員は、ピメンテル議長が上院の存続を守る闘いに十分貢献していないことに失望したと述べている。アルバレス下院議長は下院がスピーディーに立法審議を進めても上院で行き詰まるとして、上院無用論すら提唱している。ピメンテル議長は上院議員メンバーに与党へのくら替えを進めることに一生懸命で、上院議会の存在価値を示すことに努めなかったと僚友たちが非難しているのだ。

 ソット議長とは良い選択だろう。彼は弁護士ではなくテレビタレント出身だが、今回の議長交代劇で僚友16人の支持を得た。これまで上院議員を4期務めて経験も豊富だ。また、自分が正しいといつも主張する声高な政治家ではない。これからも学び続ける姿勢を維持するならば、有能な上院議員であり続けるだろう。

 ただソット議長の就任は恐らく、上院議会の存続理由を証明する最後のチャンスとなるだろう。そうでなければ、フィリピンは一院制に変更する方がより効率的に国会を運営でき、毎年20億ペソもの血税が上院議会の維持に費やされる無駄も省けるからだ。国会の二院制はアメリカ植民地政策が残した遺産だが、世界では一院制が大勢となっており、二院制がベストだとは限らないのだ。(23日・ブレティン、ゲッツィー・ティグラオ)

社会

上院が対面授業再開を勧告 教育相も必要性訴え

[ 1010字|2021.3.4 ] 無料記事

【議会上院は、コロナ感染の低リスク地域で公立小中高校の対面授業を試験実施する決議を採択】 上院は2日、新型コロナウイルス感染のリスクが低い地域で公立小中高校の対面授業を即時、試験実施することを勧告する決議を採択した。教育省の方針に基づき、限定的に対面授業を試験実施し、学校の対面授業を安全に再開する枠組みを設計するデータ集めが狙いとしている。  決議は「長期にわたるコロナ禍による学校閉鎖は、最も弱い立場で取り残された児童生徒とその家族に深刻な影響を与え、栄養や子育てなど、既存の教育格差を拡大させた」と分析。一方で、対面授業の実施については、防疫規則や保健省、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)のガイドラインなどに従った「パイロットテスト」と位置付け、児童生徒の参加は自発的とし、保護者の明示的な許可が必要としている。  決議では、2月9日現在で未回復の感染者(アクティブ)がゼロの自治体は全国で3市433町で、パイロット調査に参加予定の学校を1065校(全国の公立学校の約2・2%)と報告。最近の基礎教育委員会公聴会での国連児童基金(UNICEF)の報告を引用し、昨年3月以降、学校が閉鎖されたままの国は東アジア・太平洋地域でフィリピンだけで、世界でも学校を再開していない国は他に13カ国しかないとしている。  決議の共同執筆者のソット議長は「安全面で遠隔教育に利点があるが、対面学習は教育に必要だ。家庭によってインターネットへのアクセスなどに格差があることも考慮することが重要だ」とした上で「断続的であっても、教師が生徒と直接会い、学習状況を確認し、必要な指導をする機会が増える。対面式授業は、効果的な遠隔教育を受けられる生徒と、社会から取り残された生徒との格差、不平等を取り除ける」と述べた。  ブリオネス教育相も2日、児童生徒が長期間、自宅にこもっていることの悪影響を指摘、改めて学校での対面授業を再開する必要性を訴えた。  3日付英字紙トリビューンによると、教育相は「子どもが家に長期間こもっている間、常に親と顔を合わせなければならないため、心理社会的な問題がかなり出てきている」と指摘。「家にいると、家事など雑事を手伝わなければならないこともあり、勉強しようとしても気が散ることが多い」と説明した。100万人以上を対象にした教育省による調査で、生徒たちが対面学習を強く支持していることが分かったことも紹介、「多くの生徒が遠隔学習よりも対面授業を望んでいる」と述べた。(谷啓之)