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4月8日のまにら新聞から

性的同意年齢の引き上げを 児童への性的虐待

[ 650字|2018.4.8|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピンは10代の女性の妊娠率が最も高い国の一つだ。1時間につき24人が10代の母親になり、彼女らから1日で500人以上の子どもが生まれている。祖父によって妊娠したミンダナオ地方サンボアンガ市の子どものような、10歳の母親までいる。母親が海外で働き不在にする家庭でありふれている話だ。

 2016年の比人海外労働者(OFW)220万人のうち、54%が女性であり、その一部は小さな子供たちを親戚の性犯罪者に世話させることを余儀なくされている。

 閉鎖された保守的な地域では性的暴行と近親相姦について負の烙印(らくいん)が押され、沈黙を強いられる。容疑者が訴追されず、バランガイ(最小行政区)内で処理されることもある。

 サンボアンガ市で性的虐待を受けた子供の数は17年だけで126人に上った。比統計局(PSA)によると、全国で過去3年間に40人以上の子どもが10歳前後の少女から生まれている。

 専門家は性教育の欠如やポルノサイトを妊娠の原因に指摘する。それに加えて、法律が児童の妊娠をどう促しているか考える必要がある。比の性的同意年齢は12歳で、世界で最も低い国の一つだ。少女が自身の安全のため年上の男性と性的関係を持つ傾向があり、同意年齢を引き上げて、大きな決断の前に教育を受ける時間を持つべきだ。

 地方自治体は児童らに対する暴力行為に対し、近親者を含む犯罪者を最大限起訴し、虐待された子供たちには心理社会的支援に加え、生活再建の機会の提供も必要だ。(3月29日・インクワイアラー)

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