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9月24日のまにら新聞から

わき上がる人権侵害への怒り 大規模抗議集会

[ 683字|2017.9.24|社会 (society)|新聞論調 ]

 戒厳令下の人権侵害や違法薬物撲滅政策での超法規的殺人などに抗議するため、首都圏マニラ市のリサール公園で21日、大規模集会が行われた。首都圏だけでなくルソン、ビサヤ、ミンダナオ地方など各地から市民が集まり、ドゥテルテ政権発足後、最も多くの市民が集う抗議集会となった。高い支持率で「独裁的」な政治を続けるドゥテルテ大統領も、同日ばかりは国民の怒りの声を聞いたのではないか。

 大規模抗議集会は、ミンダナオ地方全土に戒厳令が敷かれる中で実施された。同地方では戒厳令下で国軍による人権侵害が発生し、人々はマルコス元大統領が当時の戒厳令下で行った人権侵害が再来するのではと恐れている。

 その故マルコス元大統領の遺体は、ドゥテルテ大統領の後押しで、首都圏タギッグ市の「英雄」墓地に埋葬されている。汚職撲滅を進めるドゥテルテ大統領だが、マルコス家の不正蓄財についてはさらなる追及を行わない方針のようだ。

 人々の不満は麻薬対策での超法規的殺人のみに向けられがちだが、現政権の戒厳令が、マルコス政権下の戒厳令のようにならぬよう国民はしっかりと監視し、声を上げ続けなければならない。

 下院は当初、比人権委員会の2018年予算を1千ペソとする決議を採択した。この決議からしても下院の人権問題への意識の薄さが読み取れる。

 ドゥテルテ大統領は次回の支持率調査でも、おそらく高い支持率を維持するだろう。しかし21日の大規模抗議集会にも見られるよう、人々の現政権に対する不満の声は膨らんでいる。大統領は「人権を守れ」という国民の声に耳を傾けなければならない。(22日・スター)

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