Logo

20 日 マニラ

35°C26°C
両替レート
¥10,000=P3,930
$100=P5,630

20 日 マニラ

35°C26°C
両替レート
¥10,000=P3,930
$100=P5,630

法手続き軽視は危険 犯罪者処刑団

2015/6/1 社会

 フィリピンにはハリウッド映画「ダーティーハリー」のようなタイプを好む人がいる。法的手続きを無視する傾向の人物が政界の要職に就いている。ミンダナオ地方ダバオ市に「王国」を作り上げたロドリゴ・ドゥテルテ市長は、犯罪組織構成員らを標的した「処刑団」への関与を認めた。しかし、謝罪する様子はない。

 ニューヨークに本部を置く人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」によると、ダバオ市の処刑団は1990年代だけで約千件の殺人事件にかかわっているという。

 また2009年に起きた事件では、ドゥテルテ市長の関与が指摘されている。人権団体の訴えに対し市長は「私を告発してみろ。わが市は世界屈指の安全な街だ」と反論した。

 ダバオ市は犯罪組織にとってだけでなく、左派系活動家や貧困層にとっても安全・安心な街ではない。人権団体の調査によると、処刑団は窃盗など軽犯罪も積極的に取り締まっているという。しかし、ストリートチルドレンなどが、そうした犯罪に手を染める問題の根源は貧困にある。

 犯罪を取り締まる法執行力が低い上に、裁判に途方もない時間を要するこの国では、司法軽視の政策が支持されてしまいがちだ。ドゥテルテ市長の街では、どんな軽犯罪も警察は見逃さない。これが長期間続いている「市長人気」の理由だ。

 しかし、司法の軽視は法執行能力の乱用と悪用につながる。法的手続きを無視した超法規的殺人で犯罪を取り締まっても、自由な社会が築かれることはない。

 犯罪は、ドゥテルテ市長が主張するように、犯人を殺害することで解決することはできない。超法規的殺人を支持する人たちは、自分の愛する人がえん罪で処刑された時にきっと後悔するだろう。(28日・スター)

おすすめ記事

痛みと鮮血で主に誓願 サンフェルナンドで受難行事

2025/4/20 社会 無料
無料

聖週間中に15人水死 宗教行列に車、3人死亡

2025/4/20 社会 有料
有料

新規能力向上事業開始へ JICAとPCGが署名

2025/4/20 社会 有料
有料

ノラ・オノールさん死去 女優、歌手で比の国民芸術家

2025/4/20 社会 有料
有料

砂利運搬船転覆1人死亡 比人ら10人行方不明

2025/4/20 社会 有料
有料

ネグロス島で広域麻薬捜査 計4180万ペソ相当の違法薬物押収

2025/4/20 社会 有料
有料