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1月9日のまにら新聞から

「政党リスト制廃止を」 大統領が上院議長らに要請 共産勢力の影響排除狙う

[ 1011字|2021.1.9|政治 ]

 ドゥテルテ大統領が下院の政党リスト制を廃止するよう、議会両院議長らに要請していたことが分かった。ソット上院議長が7日、明らかにした。現政権は、バヤンなどの左派系政党ブロック(マカバヤンブロック)を比共産党とその軍事部門、新人民軍(NPA)とつながりがあるとみて、選挙への参加自体を阻止する方策を検討しているとみられる。8日付英字紙インクワイアラーが報じた。

 ソット議長によると、大統領は昨年11月に議会両院指導者や国軍幹部らを集めて会合を開き、憲法改正問題について協議。ベラスコ下院議長が19年7月に提出していた決議案に盛り込まれた外国人の投資や土地所有に関する制限を定めた憲法の経済条項の改正案に加え、政党リスト制の条項も改正すべきだと大統領が述べた。

 2022年の大統領選の延期や、現行の国会議員や首長らの任期延長に関する議論は出なかったという。

 ソット議長は「リスト制の政党は少数派の意見を届けるのが任務と大統領は考えており、政府転覆の努力を続けないよう確実にしたいと望んでいる」とした上で、制度を廃止しなくても条項改正で共産党の影響力を削ぐことは可能だとの見解を示した。

 与党のデラロサ、トレンティーノ両上院議員は、憲法条項の一部改正に向け憲法制定会議の設置を求める決議案をすでに提出している。これを受けて、ロケ大統領報道官は7日、声明を発表し、「現政権の一番の優先事項はコロナ対策だ。特にワクチンの確保だ」とした上で、「憲法改正で大統領の任期を延長させるという噂には根拠がない」と強調した。

 一方、下院の憲法改正委員会のガルビン委員長(政党リスト)は「下院は憲法改正に向けて審議を加速させるが、あくまで経済条項についての審議だけだ」と述べている。マイク・デフェンサー下院議員(政党リスト)も7日、「34年目を迎えた現行憲法の見直しに反対はしないが、コロナと戦っている最中に議論するのはタイミングが良くない」と説明している。

 政党リスト制は農民や教員、海外就労者ら少数派の意見を議会にも反映させる比例代表制度として1998年に導入された。下院議員総数(現在292人)の20%を政党リスト選出議員に割り当て、登録を認められた政党が得票数に応じて最大3人までの議員を下院に送ることができる。選挙区に候補者を立て多数の議員を抱えているような大規模政党は候補者を立てることができない。(澤田公伸)

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