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4月18日のまにら新聞から

2週間で150万人失業 GDPも1%1800億ペソ減

[ 1289字|2021.4.18|経済 (economy) ]

2週間にわたる防疫強化措置で150万人が失職、1800億ペソの損失に

 2週間にわたる首都圏と近隣4州の新型コロナウイルス防疫強化措置(ECQ)に伴い、150万人の労働者が失職し、比国内総生産(GDP)の1%、1800億ペソ程度の経済的損失が発生したとの推計をロペス貿易産業相が15日発表した。中央銀行のジョクノ総裁、国家経済開発庁(NEDA)のチュア長官代行も相次いで、今年のGDP成長率の政府目標を下方修正せざるをえないとの見通しを明らかにしている。

 比統計庁は今月上旬、2020年のGDP成長率を下方修正したばかりで、コロナ禍に伴う防疫措置の経済に対する深刻な影響が改めて浮き彫りになった。

 16日付英字紙ビジネスミラーなどによると、ロペス氏は15日のオンライン会見で、11日までの首都圏と近隣4州に対する2週間のECQにより、GDPの1%が縮小するとの推計を披露。「今年のGDPが約18兆ペソだとすると、1800億ペソの損失が見積もられる」と説明した。

 ECQによる雇用の影響については「労働力調査によると、約150万人の労働者が職を失った」とした上で、12日から修正防疫強化措置(MECQ)に1段階規制が緩められたことで「このうち50万人がすでに仕事に戻っている可能性がある。残りの100万人は、一般防疫措置(GCQ)へさらに緩和された時に、うまくいけば仕事を取り戻すことができるだろう」と述べた。

 職場に戻れない100万人の失職者は、MECQ下でも必須ではない製造業の稼働率が50%に抑えられるなど、フル稼働できないためという。

 ▽21年目標も修正へ

 一方、ジョクノ中銀総裁は12日のオンライン会見で、内閣の開発予算調整委員会(DBCC)が昨年12月承認した6・5〜7・5%の21年成長率目標について「首都圏と近隣4州のECQにより経済活動が制限されたため、DBCCは今月中に見直すことになりそうだ」とした上で「0・5ポイント程度引き下げられるだろう」との見方を披露。「雇用創出のため、医療、建設、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)などの支援に政府は注力すべきだ」とも述べた。

 ▽政府幹部も対応批判

 チュアNEDA長官代行も13日のブルームバーグのインタビューに対し、2週間のECQのため、今年の経済成長率が最低6・5%という政府目標を下回る可能性があることを指摘。「コロナ禍前は健全な経済だったが、今は苦戦している。我々はリスクを避け過ぎた。他の国ではそんなことをする必要がなかったが、我々は経済の大部分を止めてしまった」と振り返り、これまでの政府の対応を批判した。

 21年の経済成長率予測については先に、フィッチ・ソリューションズが7・6%から5・8%に引き下げ、リスクが「非常に下方に傾いている」と警告している。

 ▽20年成長率9.6%減

 また、比統計庁は今月8日、20年の成長率を前年比9・6%減に下方修正。7・0%減だった1984年を下回り、統計が始まった1946年以降最悪の下落率だった9・5%減(速報値)からさらに0・1ポイント引き下げている。(谷啓之)

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