【新聞論調】親中でも親米でもなく 中間選挙調査
最近の世論調査で回答者の7割が来年の中間選挙で親中国の候補を支持しないとの結果が出た。親中政治家にとっては悪いニュースだ。
質問の詳細は明らかではない。親中国か親フィリピンかを選択するのなら10人中10人が親フィリピンを選ぶだろう。一方、質問方法に親中か親米かを選ぶような含みがあるなら深刻な懸念となる。それは回答者が自国の国益を理解しておらず、自分たちの将来を米国か中国に委ねようとしていることを意味しているからだ。これこそがわれわれが直面している本当の危機だ。
南シナ海におけるいくつかの礁や島に対する領有権・管轄権主張のために、われわれは中国の台頭を阻止しようとする米国の代理人となり、広大な水路の中の特定の海洋地勢の権益主張を、米国の地政学的グローバル・アジェンダの中に埋もれさせてしまった。
変化する世界に対する混乱した見方は、国家安全保障の選択を親中国か親米国かのどちらかに単純化せざるを得ないようにしている。こうした世論調査は、自国中心の考えを後景化させ、新中・親米の二択を迫るように仕向けているふしがある。
フィリピンを自分の側に引き入れようと米中が激しく対立する中、われわれの国益は純粋にフィリピンのものであると認識しなければならない。両大国に友好的だが、いかなる時もどちらにも従属しない。これが最優先事項であるべきだ。(18日・マニラタイムズ、ジャーナリスト・元上院議員フランシスコ・タタド)