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2月29日のまにら新聞から

タレント発掘ショー 大統領候補者討論会

[ 700字|2016.2.29|社会 (society)|新聞論調 ]

 大統領選(5月9日投開票)の第1回立候補者討論会が、ミンダナオ地方東ミサミス州のカガヤンデオロ市で行われた。

 しかし私は、まるでタレント発掘ショーのテレビ番組のような討論会に、多くの期待は抱いていなかった。その理由は、討論会の構成そのものにある。各候補者は意見を60秒以内にまとめなければならず、時間配分が第一で内容が伴わない。

 例えば討論会の五つのテーマの一つである「発展」について、候補者は60秒以内に十分な回答をできるであろうか。もうひとつのテーマ「安全保障問題」にしても、討論の間に挟まれるシャンプーのテレビコマーシャルより短い時間で、このように重大な問題が論じられるわけがない。

 結局のところ、討論会で国民から評価を得るのは、討論の専門家であり、良い政策を持った候補者ではないのだ。

 国民が討論会を、唯一の物差しとして使わないことを願わんばかりだ。大統領選びは一つの情報源でなく、多数の情報源から得た情報を基に熟考した上で行われるべきものである。

 一方で、候補者の支持者の集会では、候補者は実際のスピーチ時間より長い間を支持者との写真撮影に時間をかけるとも聞いたことがある。誰もわざわざスピーチを録音して、会員制交流サイト「フェイスブック」に掲載したりはしないが、写真はすぐに掲載され、それがインターネット上での宣伝になるからだという。

 それならば、各市で集会を開き、参加者との質問会など対話の時間を長く設けるべきだ。国民は大統領を選び雇う側である。いわば質問会は、大統領という職に応募している候補者への面接会なのだ。(22日・スタンダード、パスター・キボロイ氏)

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