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7月23日のまにら新聞から

人権問題改善の契機に

[ 690字|2001.7.23|社会 (society)|新聞論調 ]

夏季五輪の北京開催

 国際オリンピック委員会(IOC)はこのほど、二〇〇八年夏季五輪開催都市に北京市を選んだ。中国でオリンピックが開かれるのはこれが初めてだ。他の候補地としては、パリトロント、イスタンブール、大阪などが上がっていたが、北京はこれらに打ち勝った。

 多くの人々はなぜ北京が選ばれたのか不思議に思うだろう。民主化運動を武力鎮圧した八九年の天安門事件や気功集団「法輪功」に対する弾圧の舞台になるなど、北京は中国の人権抑圧政策の象徴だからだ。

 選考の背景には、中国で二番目に大きな都市という地理的政治的な要因が働いたといわれている。また、国民の大きな期待にも関わらず、八年前に二〇〇〇年夏季五輪をシドニーと争って負けたという同情もあった。これらが人権抑圧政策に対する懸念を吹き飛ばした理由だろう。

 シドニーに敗れて以来、中国は国を挙げてイメージの改良に乗り出し、ロビー活動も強化させた。

 懸念されていた運営面についても中国側は「我々は経済発展だけでなく、様々な部門と協力し人権問題や医療分野でも改善を行う」と北京の魅力を宣伝している。

 何千通もの抗議のファックスを無視して中国を選んだ背景には、「オリンピック委員会が世界最大の人口を誇る国で開催するというハイリスク・ハイリターンの夢」にとりつかれていたのだと評論家はいう。また委員会は開催が中国の改革の契機になるとも考えているようだ。

 北京五輪には様々な期待や不安が渦巻いている。人権問題の改善や改革はただの宣伝だ言う声もあるが、我々は北京を選んだ委員会と同様、五輪をきっかけに中国が大きく変わることを望んでいる。おめでとう、北京!

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