比児童レイプ動画を10年間配信 元ディズニー職員に懲役25年
10年間にわたりオンラインで5~10歳の比女児への性的暴行を指示した男にフランスで懲役25年の判決
フランスで10月31日、米アニメ制作大手ディズニー社およびピクサー社でグラフィックアーティストをしていた男が、約10年にわたり5歳~10歳のフィリピン人女児に性的暴行・虐待を行うよう指示を出し、その模様をライブ配信させていたとして懲役25年を言い渡された。「Mr.インクレディブル」(2004年)や「レミーのおいしいレストラン」(2007年)などのヒット作の製作に携わっていた。被害を受けた児童は数百に上るとみられる。
児童に対する強姦(ごうかん)、性的虐待、人身売買の共謀、児童ポルノ閲覧の罪で有罪判決を受けたブアラム・ブチバ被告(59)は2012年から2021年にかけ、比人仲介者に1件あたり50ユーロから100ユーロを支払い、児童への強姦やわいせつ行為の指示を出し、その模様をライブ配信させていた。被告が犯行に費やした総費用は約10年間で5万ユーロ以上。単純計算で被害者数は500人~1000人規模となる。AFP通信は「数百人」と伝えた。
被告は2009年にも義娘に性的虐待をしていたとして有罪判決を受けていた。欧州警察機関(ユーロポール)は被告が多額の金銭をフィリピンに送金していることを発見し、米当局に通報した。21年10月4日に当時米国に住んでいた被告はサンフランシスコ空港で逮捕され、フランスに引き渡された。
法廷で検察側は「子どもたちを喜ばせたグラフィックアーティストが、一方で自ら手掛ける児童性愛ホラー映画作成者だった」と指摘。被告は自身の行為が「拷問に似ていた」と認めた上で、「自分の行いは全て自覚しており、犠牲者たちには許しを請いたい」と述べた。
▽性搾取の「ホットスポット」
未成年に対するオンラインでの性的搾取・虐待問題に取り組む国際非営利団体(NPO)「ウィープロテクトグローバルアライアンス」の報告書によると、フィリピンにおけるオンライン児童性的搾取の報告は、20年に133万9597件、21年は318万8793件、22年は257万6182件。これは、人口が2倍以上あるインドネシアより1・3~1・7倍多く、同NPOは比をオンライン性搾取の「ホットスポット」と名指しする。
国連ニュースによると、コロナ禍の困窮化を機に比でのオンライン性搾取は急増。加害者は児童の家族・親類であることが多い。
国際NGO「インターナショナル・ジャスティス・ミッション(IJM)」によると、比でのオンライン性搾取は米国、英国、豪州、欧州、カナダからの需要により引き起こされているという。(竹下友章)