独立記念博で日系4団体 今月末で展示打ち切り
閉幕まで2カ月残し
独立百周年の目玉事業である「フィリピン博覧会」(パンパンガ州アンヘレス市)に出展している日系の四団体が今月末一斉に展示を打ち切ることになった。同博覧会の中核的役割を果たしている日本の展示者の撤退決定で、政府関係者は「三月末の閉幕まで二カ月を残しており、入場者の確保が一層厳しくなる」と頭を痛めている。
撤退を決めたのは、日本貿易振興会(ジェトロ)、トヨタ自動車、本田技研工業、松下電器産業の四団体。
打ち切りの理由として各団体とも出展契約の期限切れを挙げている。博覧会の当初の会期は一九九七年十二月から九九年一月までだった。ところが、工事が大幅に遅れ、九八年六月にようやく開幕した。
博覧会運営にあたっている同事業部は、日系四団体に展示期間の延長を強く要請してきた。しかし、「展示品は他のイベントに回さねばならない」「展示延長のための予算の都合がつかない」などの理由で、今月限りで当初契約通り展示は打ち切られることになった。
「独立精神の再燃」をテーマにした同博覧会。同事業部では開幕前、入場者数を一日平均二万人と見込んでいたが、七月の一日当たりの平均入場者はわずか二千百人だった。
八月半ばからは広報活動を強化、コンサート開催などのイベントで入場者数を伸ばそうと懸命となった。しかし、会場が首都圏から遠く交通が不便なため、ピークとなった十二月でさえ、目標の四割にも満たなかった。
博覧会には十カ国の企業・団体が参加しているが、シンガポールやブルネイからの展示者も日系団体と同様に、今月末で展示を打ち切る。同事業部は、「今後、客足がさらに落ちることは必至。あと二カ月、どうやって運営して良いのやら…」と戸惑いを隠せないでいる。