3Dスキャン機器を国警に供与 日本政府と国連薬物犯罪事務所
PNPへの「科学捜査3Dレーザースキャン・マッピング機器の供与式」が行われた
首都圏ケソン市の国家警察本部(キャンプ・クラメ)で29日、日本政府の協力を基に国連薬物犯罪事務所(UNODC)からフィリピン国家警察(PNP)に対する「科学捜査3次元レーザー・スキャンとマッピング機器の供与式」が行われた。PNPの鑑識班に対し資機材が供与された。
供与式は、日本政府とUNODCによる「東南アジアの加盟国が危機と安全保障上の懸念に即時対応できる支援」の一環で行われたもの。科学捜査3次元レーザースキャン・マッピング機器はPNPが法執行のための捜査能力を強化するため、特に薬物と人身売買、テロリズムと暴力的過激主義がもたらす安全保障上の脅威に対処するために供与されたという。
この資機材は今までPNPに装備されたことはなく、捜査現場では切に必要とされていた。捜査員が交通事故やテロ現場、犯罪現場などで困難を極める鑑識活動に対して、最新の技術により証拠データ収集などを迅速かつ効率的に行うことに寄与できる機器とされている。
式典では、UNODCフィリピンオフィスのカントリーマネジャーのダニエレ・マルケージ氏、 外務省総合外交政策局国際安全保障協力室長の割澤宏一(わりさわ・こういち)氏、そして国家警察鑑識局長のベンジャミン・センブラノ氏がそれぞれ挨拶に立ち、供与式に対する抱負を語った。割沢室長は、「日本がUNODCとフィリピン国家警察との科学捜査3次元レーザースキャン・マッピング機器の供与式に参加できたことに感謝する。この資機材供与は日本とUNODCの強い協力関係により東南アジア地域の刑事・司法領域に対して行ってきた最も新しい貢献である。この式典を通じて、現在までも同じ価値観を共有してきた日比がさらに関係を強め、捜査の領域でも協力していけることに期待する」と強調した。
一方で、センブラノ鑑識局長は、「日本政府とUNODCという強力なパートナーから機器を受け取れることは素晴らしい。これは間違いなく犯罪現場における捜査効率を高め、任務を確実に遂行することを可能にし、警察組織が奉仕し保護する人々の福祉と安全に対して深く関与するものとなるだろう」と強い感謝の意を述べた。
科学捜査3次元レーザースキャン・マッピング機器は同日、マルケージ氏とセンブラノ氏が相互に関係書類に調印した上で供与された。(萩原裕之)