略奪罪での告訴勧告も サラ氏に対し、下院副議長
サラ副大統領が教育相を兼任していた時期の機密費の取扱いについて、同氏が略奪罪で告訴される可能性
下院のアウレリオ・ゴンザレス副議長は27日、サラ・ドゥテルテ副大統領が教育相を兼任していた2023年の教育省機密費1億1250万ペソの使途をめぐる「良き統治・公職者責任委員会」での公聴会審議ついて、「副大統領は説明する必要がある」と述べた上で、説明責任を果たさなかったリ正しい使途が証明できなかった場合には、略奪罪で告訴することを同委員会として勧告する意向を示した。28日付英字紙マニラタイムズが報じた。
今月17日に行われた同委員会の公聴会でゴンザレス議員は、セビリヤ教育次官に対して同省の機密費の使途について尋ねた際、同次官は「2023年にそれぞれ3750万ペソの小切手を3回にわけて発行したが、その使途については知らない」と証言している。
この機密費は23年予算で学校における虐待防止や反政府主義者による洗脳などを防止するためのプログラムとして教育省の予算項目に充てられていた1億5000万ペソの予算枠の一部で、その目的通りに使われていたかどうかが委員会で審議されている。次回の公聴会では実際の予算の支出を担ったとみられる教育省幹部を召喚して質問する予定となっており、そこで核心となる使途が明らかにされるか否かが注目されている。
同議員は、国家予算のうち5000万ペソを超える資金の流用や着服行為は略奪罪の訴因になりうるとし、今回の機密費は1億ペソを超えているため略奪罪として十分に訴追するに値する金額だとして、公聴会審議で得られる証言次第ではサラ氏を略奪罪で告訴することを勧告する姿勢を示している。 (澤田公伸)