家計が「浅い後退期」に 第2四半期成長率
第2四半期の経済成長率は6・3%を記録し、昨年同期の4・3%からみれば持ち直したように見える。しかし、家計支出は4・6%と鈍化したままで、英国のシンクタンク「パンテオン・マクロエコノミクス」からは、「家計消費が浅い景気後退に入った」との指摘も上がっている。家計支出は必需的な商品・サービスに投じられたが、統計庁は、家計支出の中でマイナス成長したカテゴリーを明らかにした。衣類・靴である。
今年に入ってインフレ率は再度高進し続け、7月には昨年10月以来最高の4・4%を記録。食料品その他の必需品は目がくらむほど高騰している。より多くの人々が、本当に必要なものだけしか買わないように心がけるようになった。パンテオン・マクロエコノミクスは、「今年の成長率は5・4%と緩やかになる」と予想。「消費者信頼感は低下し、海外送金も急激には増加していない」と分析した。
政府がやるべきことは消費支出拡大のための支援だ。食料供給を改善して価格低下を促したり、生産性向上のための投資を支援したり、雇用を創出することのほか、政策金利の引き下げに踏み切ることも借り入れ金利低下につながるため役立つだろう。
インフラ支出を増やすことは重要だが、同時に財政健全化の取り組みをしないといけないことが限界を作っている。ただ、汚職根絶や官僚機構のスリム化など実行可能な財源捻出策は残っている。高い給料や、不必要な海外旅行、文化の促進を装ったファッションショーなどに使うお金を、成長分野に投下することだって役立つだろう。マルコス大統領は、雇用創出、減税、キロ20ペソでのコメ提供を通じて、国民の生活をより良くすると約束したではないか。(11日・スター、ジャーナリスト・アイリス・ゴンザレス)