最優先にすべきこと 政治王朝と選挙腐敗
最近、最高裁が「政治王朝」を定義する法律を制定するよう議会に要求する見込みと報じられた。これは憲法2条26項にある「公務に従事する機会の平等を保証し、法律で定義される政治王朝を禁止する」という規定に沿ったものだ。しかしそれから最高裁からは音沙汰がない。つまり、政治王朝はなお健在ということだ。
先週、連邦党がナショナリスタ党と政治同盟を結成した。前者はマルコス家、後者はビリヤール家が実権を握っている。ビリヤール家は不動産資産109億ドルを有する国内3番目の富豪。この同盟は国の富の大部分を占めている可能性があり、最近崩壊したマルコスードゥテルテ同盟「ユニチーム」に取って代わるかもしれない。
ユニチームの崩壊後、ドゥテルテ家は前大統領とその息子2人を国政に送り込むと脅しをかけているが、これは、ドゥテルテ家がマルコス・ビリヤール両家と戦うことを意味する。この戦いは、政治王朝の禁止をうたう憲法の勝利に終わることはないだろう。最悪の誹謗中傷の投げつけ合いになるばかりか、血なまぐさい展開になる可能性もある。
だが本当の戦いはかれらが来年の中間選挙および2028年統一選挙を操作しようとしたときに発生する。中央選管は来年の中間選挙の自動投票集計システムの採用に関し、誰も文句を付けなかった2022年のシステムを入札から除外し、韓国企業と契約。それに対し最高裁は重大な裁量権乱用との判断を下した。一方、米フロリダの連邦大陪審は2016年の投票集計システム供給契約に関し、元選管委員長らを資金洗浄と賄賂の罪で起訴することを決定した。独立主権国家として、選挙への外国からの影響力を排除することは最高裁が第一に取り組むべき課題だ。(12日・マニラタイムズ、元上院議員・フランシス・タタッド)