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10月12日のまにら新聞から

3年ぶり日比祭開催 石川総領事「特別な賞賛を送りたい」

[ 1620字|2022.10.12|社会 (society) ]

ダバオ市で3年ぶりに日比祭開かれる。比日系人会国際学校30周年、ミンダナオ国際大20周年記念行事も

(上)多くの参加者が浴衣を着て盆踊りを楽しんだ=7日、町田隆一撮影。(下)開会式のフィナーレではお神輿と太鼓のパフォーマンスが会場の拍手喝采を浴びた=6日、比日系人会国際学校提供

 ミンダナオ地方ダバオ市ラナンのフィリピン日系人会コンパウンドで5~8日、3年ぶりに第20回日比祭が開催された。日比祭は例年10月に開催されており日本文化を紹介する各種企画が実施されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため過去2回は中止になっていた。

 主催はミンダナオ国際大、比日系人会国際学校と同カリナン校、比日系人会、比日系人会クリニックで、在ダバオ日本国総領事館、国際交流基金マニラ日本文化センター、ダバオ日本人会、ミンダナオ日本人商工会議所、ダトゥ・ウチダ・ディベロップメントファウンデーション、日比企業協議会などが協賛している。今年は比日系人会国際学校設立30周年、ミンダナオ国際大設立20周年にあたり、記念講演会、日本語スピーチコンテスト、日本語・フィリピン語歌唱コンテスト、コスプレコンテスト、日本・フィリピン文化教室、盆踊り、祝賀会などの多くのイベントが企画され、来場者で賑わった。

 連日イベントに参加した石川義久駐ダバオ総領事は、最終日の祝賀会で「日本語教育や日本文化の振興において比日系人会国際学校とミンダナオ国際大がリーダー的存在」と述べ、「数十年にわたって学校設立や運営に携わってきたすべての人々に特別な賞賛を送りたい」と祝辞を送った。

 ミンダナオ国際大創設者の一人である網代正孝名誉学長(83)は、「20周年、30周年という節目に、過去の歴史を大切に残すことに力を入れてほしい」と語り、「新時代に向け、比日の課題を見つけ研究する人材を大学として育てていく必要がある」と展望を述べた。

 国際交流基金マニラ日本文化センターの鈴木勉所長は「何度も訪問しているが、年々学校の規模が大きくなり、子供の数も増えている。ダバオの日系人会がほかと違うのは、日系人を中心に運営する教育機関があるということ。教育を通して若い人たちを育成し、日系人の歴史も教えている。非常にユニークだという思いを改めて実感した」と語った。

 開会式では主催団体の児童、生徒、学生および教職員が比日双方の歌や踊りを披露し、お神輿と太鼓のパフォーマンスが会場の熱気を高めた。記念講演会では、石川総領事が「日本とミンダナオのパートナーシップ」、ミンダナオ日本人商工会議所の中尾圭佑会頭が「人生における最高の投資」、網代正孝名誉学長が「日系人会日本語学校の始まり」というテーマで、比日系人会国際学校とミンダナオ国際大の教職員および生徒・学生に講演を行った。最終日には、主催団体および協賛団体の代表約150名がグランドリーガルホテルに集い、祝賀会が開催された。

 日比祭実行委員長のイネス・山之内・マリャリ学長(51)は、「119年前にダバオに移住してきた2万人の先人が、戦前に強い日本人社会を築き13の日本人学校を設立した功績を引き継ぐことを強く望んでいる。このダバオに住む日本人の子孫である私たちの使命は、彼らの遺産を引き継ぎ、国際競争力だけでなく、日本語が堪能で日本文化に精通した卒業生を輩出し、比日をつなぐ強い架け橋になること。これからも、ダバオだけでなく、比全土で日本の美しい言葉や文化を伝え続けられるよう、一層努力していきたい」と決意を語った。

 比日系人会国際学校で日本語を教えるメイ・デベロさん(34)は、「第20回日比祭は大盛況だった。特に生徒たちにとって、忘れられないイベントとなった。さまざまなプログラムに出演し、盆踊りを踊る生徒たちの幸せそうな顔を見て、私も喜びでいっぱいになった」と語った。

 スピーチコンテストで優勝したミンダナオ国際大のメルビン・ジョセフ・プラドさん(22)は、「ほかの参加者のスピーチを聞いて、自分の日本語力不足をさらに感じた。日本語をさらに磨きたいという欲が増した。4年生として最後の日比祭だったので、久しぶりに皆とイベントを楽しむことができて良かった」と語った。(町田隆一=ダバオ)

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